ママ友は同じ「扶養内」で働いていますが、10月から「社会保険」に加入するそうです。お互い“年収”は同じはずなのに、なぜなのでしょうか?
2024年10月から行われる社会保障関連制度の改正により、現在「扶養内」の働き方をしている人であっても、10月以降は社会保険に加入することが求められる場合があります。一方で、以前通り社会保険に加入することなく「扶養内」で働き続けることができるケースも残ります。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある? つまり、同じく扶養内で働いているはずなのに、自分は社会保険に加入する必要がなく、ママ友は10月から社会保険に加入するらしい、ということも起こり得ます。なぜこのようなことになるのでしょうか。 本記事では、社会保障関連制度の改正内容について確認しながら、理解を深めていきましょう。
制度改正の概要を確認してみる
社会保障関連制度の改正は、令和2年(2020年)5月29日に成立した「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が根拠となっています。 厚生労働省の作成した「社会保険適用拡大ガイドブック」を見てみると、2024年10月から社会保険の適用範囲が拡大し、これまで101人以上とされていた従業員数の要件が変更され、従業員が51人~100人の企業においても、パートやアルバイトの人にも社会保険加入の義務が発生する場合があるとされています。 具体的には、従業員が以下の4条件を全て満たす場合に、社会保険への加入が求められます。 ●1週間の労働時間が「20時間以上」であること。 ●「2ヶ月」を超える雇用の見込みがあること。 ●所定内賃金が「月額8万8000円以上(※)」であること。 ●学生ではないこと。 ※基本給および諸手当のみで、通勤手当・残業代・賞与などは含まない。 事例は上記の4条件をすべて満たしており、加えて「従業員数51人~100人」の企業に勤めているため、今回の制度改正の影響を受けて社会保険加入が義務化されたと考えられます。 このような社会保険加入の適用範囲を広げていく制度改正は初めてではなく、図表1のように2016年10月からは「従業員数501人以上」の企業について、2022年10月からは「従業員数101人~500人」の企業について、今回と同様「1週間の労働時間が20時間以上である従業員」の社会保険加入が義務化されてきました。 図表1