風呂場にもメモ帳を持ち込んで──サッカー日本代表・森保一監督の“一日”
1日24時間では足りない
実はワールドカップを終えて帰国してから、一日もオフを取っていない。年末に日本代表監督の続投が発表されたということもあるが、関係者への挨拶回りのほか、メディアからの対談やインタビューの要請、イベントへの参加などを、可能な限り受け入れるようにしてきたからにほかならない。 カタールでは人々の応援がチームのパワーに直結するのだとあらためて強く実感できた。ドイツ戦後にスマホで見せてもらった渋谷のスクランブル交差点の熱狂には驚かされた。森保が想像した反響をはるかに超えていた。 いっぱい応援してもらえるようになれば、すなわちそれはチームの力になる。だから森保は休みを返上してピッチ外のことも積極的にこなそうとする。 「ワールドカップが終わっても、3月に再始動するまではワールドカップの延長だと思っていましたし、別に休まなくてもいいかな、と。僕にとってはもっと日本サッカーを応援してもらえるチャンスでもありますから」
オフがなくなってしまうのは、選手たちの試合の映像をしっかりとチェックしておくことも理由にある。欧州でプレーする選手は候補の60人以上にものぼり、2月に開幕したJリーグも日本にいれば毎節、どこかのカードに足を運んで視察している。 「監督として何が一番やれるかというと、まずは招集できなかったメンバーも含めて日本代表を目指す選手たちの試合を見ておくこと。そのうえでメンバー選考の決断につなげたい。全部が全部見るのは難しいので、そこは優先順位をつけながら。国内であればJ2、J3、大学だって見たいですけど、今は基本的にJ1だけに限っています。そこは整理していかないとキリがない。正直1日24時間では足りないですね。もっと時間があればいいのにって思いますよ。 昔は何試合見たところで体の変化なんて感じなかった。でも今は年齢のせいなのか、ちょっと目が疲れてきたなというのはありますね。でも見ることはストレスなのかと聞かれたら、まったくそうじゃない。見たい、知りたいという気持ちが先にありますから」