磯村勇斗、ちょっと旧いポルシェへの想いを語る なぜ911に惹かれるのか?
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第59回の番外。後編では、俳優の磯村勇斗さんが、憧れのちょっと古いポルシェに触れた! 【写真を見る】磯村勇斗とポルシェ911(15枚)
9月11日生まれだから911
前編では、俳優の磯村勇斗さんがいま気になっているヒストリックカーというホンダ「S800」に触れた。 後編となる今回は、磯村さんが「本気で探したい」という、空冷エンジン搭載のポルシェ「911」を用意した。 磯村さんが、空冷ポルシェに憧れを持つようになったきっかけを振り返った。 「もともと、この世界に入って先輩方がお乗りになっているポルシェを見て、いつかは自分も乗りたいと思いました。僕は古着も大好きで、クルマも少しクラシックなものほうがデザインは好みなんですね。あと、エンジン音を聞くと、やっぱり空冷エンジンは個性的だなぁ、と、思います。もうひとつ、これはダジャレみたいな話ですけど、僕は1992年9月11日生まれなんです。だから、1992年型のポルシェ911に乗る、という夢もあります(笑)」 ここで簡単に空冷エンジンを積むポルシェ911の歴史を振り返っておくと、タイプ901というコードネームで呼ばれる初代911は1963年に登場、1974年に2代目のタイプ930に切り替わる。 そして1989年に、大幅にモダナイズした3代目のタイプ964へと世代交代する。そして最後の空冷911が、1994年から1998年まで生産された4代目のタイプ993とういことになる。 もし磯村さんが1992年型にこだわるのであれば、タイプ964ということになる。ここで、まさに1992年型のポルシェ・カレラ2カブリオレが、オーナー自身のドライブで撮影現場に登場した。ボディや幌のコンディションは良好で、アイドリング時のエンジン音からも、調子がよさそうなことが伝わってくる。 「このエンジン音、たまらないですね……」と、磯村さんがしみじみとつぶやく。 「なんだか、内臓に響くようないい音です。あと、時代錯誤だとは思いますけれど、この排気ガスの匂いで、子どもの頃に父のクルマに乗っていた思い出が蘇ってきます」 磯村さんは、964のオーナーに、メインテナンスで気をつける点や、コンディションのいい個体をどうやって探すのかなどを、熱心に尋ねている。 オーナーの許可を得て運転席に座った磯村さんは、いかにも興味津々といった表情で、ディティールに至るまで入念にチェックする。 「シートに座った瞬間に、クルマと一体化したように感じました。もちろん自分が好きなクルマだからという理由もあるのでしょうが、フィット感が抜群です。丸いメーターが3つ並んでいるメーターパネルのレイアウトも、心をくすぐりますね。あと、ちょっと古いクルマはいろんな歴史を重ねてきたせいか、温もりを感じます」