10人中6人の男性が勃起不全を経験!?カップルはどう対処すべき?
したい気持ちはどちらにもある。だけど身体が思うようにならない。人生のどこかでED(勃起不全)に悩んだことのある男性は10人中6人もいる。女性はどういう態度を取るべきか、カップルとして問題解決にどう取り組むべきか、専門家がアドバイス。 【写真】セックスの悦びを高める?!5つのヨガとは それはある日突然やってくる。フランスの健康情報プラットフォーム、「シャルル・コ」の依頼でIfopがおこなった調査(1)が2019年5月に発表された。それによると、半数以上の男性(61%)が人生で少なくとも一度はED(勃起不全)、すなわち性行為をするのに十分な勃起を達成できない、もしくは維持できない経験がある。ここ15年間でこの現象は増加傾向にあり、しかも年齢に関係なく誰にでも起こりうる、と同調査は指摘している。 循環器系専門医のエレーヌ・シュスマンによれば男性特有のこの問題にはいくつかの原因がある。1つ目は静脈の奇形、2型糖尿病、ホルモン異常、体重過多などの身体的な原因、2つ目は薬物、タバコ、アルコール、ジャンクフードなどの環境的な原因、そして3つ目は心理的な原因だ。診断には長い時間がかかり、適切な医療専門家が見つからなければ、数年ひきずることさえある。そして、どんな原因によるものであれ、不幸にもなってしまった場合、カップルの人生は蝕まれる。
告白を難しくする先入観
勃たない状況に初めて直面した場合、すぐにそのことを受け入れられる男性は少ない。先述のIfopの調査によると、男性の3人に1人が勃起不全をパートナーに打ち明けられずに嘘の言い訳をしたことがあると認めている。もっともらしい口実としては肉体的疲労、そしてストレス、偏頭痛、過食、アルコールなどが並ぶ。人類学者によれば、性欲は生殖欲と同様、人間生来の欲であり、アイデンティティを形成する決定要因でもあるという。「だからこそ、勃起できなくなって男らしさが損なわれるのを目の当たりにした男性は、自分のアイデンティティそのものが問われているように感じ、恥ずかしく思う」と循環器系専門医のエレーヌ・シュスマンは説明する。 普段は全幅の信頼を寄せているはずのパートナーになぜ打ち明けられず、黙ってしまうのだろうか。泌尿器科アンドロロジー(男性特有の問題に関する泌尿器科の一分野)医で、性科学者でもあるヴァンサン・ユペルタン(3)曰く、「こうした極めてプライベートな問題はなかなか口にしづらいもの。最近でこそ、このような話題も比較的自由に発言できる風潮になりつつあるが、いまだに多くの男女は、20代であろうと40代であろうと、この手の問題を堂々と発言するために必要な性教育を受けてこなかったし、今も受けていない」 そしてインターネットのせいで溝は深まるばかりだ。「インターネットというチャネルによって情報が得られやすくなった一方で、人々は比較するようになり、セクシュアリティに関してある種の先入観が常態化している。たとえばオンラインポルノ動画を見た消費者は勃起や性交渉の持続時間、頻度がどうあるべきかをそこで学習してしまう」と性科学者のヴァンサン・ユペルタンは指摘する。そのため、自分に問題が発生した場合、この社会から事実上排除されてしまうように感じる。「妻に話すことは、真っ向から拒絶される危険を冒すことだと感じてしまう」と、医師のエレーヌ・シュスマンも言う。