フォロワーは1500万人超え!ブランドも大注目の23歳のファッションYouTuberエマ・チェンバレンとは?
起業家としてのエマ・チェンバレン
インフルエンサー......それともむしろ起業家と言うべきか。2019年、エマ・チェンバレンは自らのコーヒーブランド「チェンバレン・コーヒー」を設立し、コーヒーや関連商品を販売している。彼女はコーヒーが大好きで、特に氷を入れたアイスラテを好む。実際、数年前にTikTokを席巻した「アイスラテ」の現象も、エマ・チェンバレンによるところが大きい。彼女の企業の成果は順調で、2023年には投資家から700万ドル(約10億円)を調達し、フォーブスによるとその時点で約2000万ドル(約31億円)の収益を上げたとされている。2024年11月には、眼鏡ブランド「Warby Parker」と初のコラボレーションを発表し、95ドル(約14,700円)で販売される複数のモデルを展開。このパートナーシップは、同社が14年ぶりに最も利益を上げた取引となったことを発表している。Instagramに投稿された一枚の写真でトレンドを生み出す力を持つこの若い女性の影響力の一例と言えるだろう。 当然のことながら、ファッション業界はすぐに彼女に注目した。2021年、彼女はルイ・ヴィトンのアンバサダーに任命され、アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールが演出するファッションショーに出席するため、定期的にパリを訪れた。その2年後、ランコムは彼女を新たなミューズとし、雑誌「ヴォーグ」はMETガラでインタビューの役割を託した。
メンタルヘルスを優先させる
しかし、成功にはプレッシャーも伴う。エマ・チェンバレンが関わることは成功を収める一方、時にはそれが原因でメンタルヘルスが犠牲になってしまうこともある。「他の人たちが夢見るものを手に入れたのに、私はとても怖くて、落ち込んで、壊れてしまった。でも同時に、私はこれをするために生まれてきたのだと感じています」と、彼女は2023年に『ニューヨーク・タイムズ』紙に打ち明けた。 というのも、有名になる前のエマ・チェンバレンは、少なくとも表面上は常に「普通の女の子」だった。他の女の子と同様、彼女も悩んだり、ロマンチックな気分になったり、悲しんだり、落ち込んだりするのだ。そして、2020年に彼女はSpotifyと契約し、ポッドキャスト番組「Anything Goes」を制作したのは、そういった彼女の感情を言葉にするためだった。その番組の中で彼女は、復讐についての考えから2010年代のファッションの復活、さらには「私は美しくありたいのか、それとも面白くありたいのか?」といった存在に関する問いまで、さまざまなテーマについて語っている。 彼女は独自の方法で、おとぎ話の裏には常に影の部分があることを証明している。『ニューヨーク・タイムズ』紙で彼女は次のように語っている。「この業界は偽りの約束が多い。だからこそ、私は、『完璧な幸せの境地にはたどり着けない』ということを言わなければならないと思っています。」彼女のこの視点は、ますます多くのフォロワーを持つ彼女のコミュニティに安心感を与えているようだ。彼女の最新のYouTube動画は2ヶ月前に投稿され、「髪に関する理論」について扱っている。これは非常に「ニッチ」なテーマ(髪型が魂の鏡であるという理論)であるにもかかわらず、視聴回数は120万回を超えている。 text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr)
translation: Hanae Yamaguchi