伊藤英明、事務所独立「自分のキャリアに自信がない」50歳目前の葛藤と覚悟
独立後は海外に挑戦 5文型から英語を学びなおし中
――伊藤さんは2014年に結婚し、翌年に長男、19年に長女を授かりました。2015年から4年間、家族を連れてアメリカに移住されたそうですね。 伊藤英明: 長男が生まれてすぐ、オレゴンのポートランドに1年間、カリフォルニアのサンディエゴに3年間住みました。そのときは海外に挑戦しようとか、英語を身に付けようとかではなくて、純粋に家族と向き合うための時間が欲しかった。 僕は幼少期から中学生まで慢性腎炎を患い、そのせいで家族がつらい思いをしたという過去があるんです。岐阜の家族はすごく仲が良かったんですけど、僕の入院費のために両親は共働きで必死だったし、年子の妹も犠牲になっていた。一方で、病床で絶対安静を強いられていた僕は「なぜ自分だけが」としんどかったし、普通の生活を送れなかったぶん「将来もし結婚したら、家族をやり直してみたい」とも思っていた。だから僕のベースにあるのはずっと家族で、とにかく妻や子どもたちを幸せにしたい。贅沢な時間だったと思いますけど、移住先では家族と一緒に過ごして、子育てを楽しんでいました。 ――渡米中の経験は、独立後の仕事に役立ちそうですか。 伊藤英明: 渡米中何より嬉しかったのは、俳優としてグリーンカードを取得できたこと。当初は海外で仕事するなど頭になかったのですが、こうした経緯から縁を感じましたし、海外作品へ参加したいという思いが強くなりました。実はこれも、独立の理由のひとつです。最近韓国の俳優が「スター・ウォーズ」のジェダイ・マスター役に選ばれたのを知って、僕が「スター・ウォーズ」ファンだというのもあるんですけど、なんで自分じゃなかったんだと本当に悔しくて……。受かるかどうかは別としてもそのチャンスはあったわけですし、今後は海外へ向けた挑戦をやっていかなくてはいけないと確信しました。 ――海外へ挑戦するにあたって、現在準備を進めていることはありますか。 伊藤英明: やはり英語は絶対必要で、入場券みたいなもの。なのでここ半年、毎日英語の勉強をしています。以前はこの年で英語を学んでも今さら遅いんじゃないかと、内心でいじけていた部分もあったんです。セリフの発音だけを重点的にやればいいやって、逃げていた。でも年齢のせいにするのはやめようと、今は基本の5文型から学んでいる状況です。