「老人ホームでわいわい暮らしたい」56歳独身・松村邦洋が考える老後の人間関係 #老いる社会
6月5日は、語呂合わせから「老後の日」と制定されている。ビートたけしさんや西田敏行さんのものまねで人気を博してきた松村邦洋さんは、56歳を迎えた今、“老いてこそ花”だと年齢を重ねることを前向きにとらえている。「老人ホームでわいわい過ごしたい」「上半身で人と接したい」と語る松村さんに、思い描く理想の老後のくらしや人間関係について話を聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
ものまねでいじめを切り抜けた学生時代
――松村さんは、子どもの頃からものまねをしていたそうですね。 松村邦洋: 小学校4年生ぐらいの頃から、テレビを見ていたら自然とものまねをしていましたね。暴走族を相手にものまねを披露していたこともあります。中高生だった80年代は、もう暴走族の全盛期。駅が関所のようになっていて、ブンブンブンといっぱい集まってくるんで、そこでよく絡まれたんですよね。いわゆるカツアゲをされていました。 でも、金曜日の夜8時だけは、暴走族も金八先生を見るためにそれぞれの家に帰ってたんです。僕は当時、金八先生の登場人物・加藤優のものまねをやってたんですね。そこで、暴走族のやつらに加藤優のものまねをして言い返したら、「加藤優に注意されてるみたいで嬉しいけど、ちょっとムカつく」と言われました(笑)。 ――いじめも“ものまね”で乗り越えていたんですね。 松村邦洋: もともとおとなしい子どもだったので、ちょっと弱々しく見えて、いじめられる方でした。でも、そんなときにもものまねをしていましたね。内輪ネタほどウケるので、学校にいるほとんどの先生のものまねをやっていました。高校では口癖が「俺、進学校から飛ばされてここ来てるんじゃ」という英語の先生とかね。先生が「ホックを止めろよ、お前。ホックを外したら授業にならんやろ。こっちはガヤガヤうるさいな、こっちもガヤガヤうるさいな」って言うまねもしてたなぁ。「ひとり職員室」というのもやってました。 授業が終わって休み時間になると「先生のものまねやってくれ」と言って、みんなが集まってくるんです。逆に休み時間のほうが緊張しましたね。休み時間が近づくと「そろそろ始まるな」「準備しとかないとな」って。だから僕、高校時代はいちばんキレが良かったですね。その頃、みんなからよく「顔が似てる」と言われ始めて、ビートたけしさんのものまねをやるようになりました。