94歳佐藤ヒデさん、体内年齢は36歳「まずは行動。90歳から通い始めたデイサービス、折り紙教室で作った作品が飾られるのが嬉しくて」
作業や読書に長時間集中できるのは、老眼にならなかったおかげもあります。子どもの頃から目がよくて、両目ともずっと1.5ぐらいありました。2~3年前に白内障の手術を受けてからは、0.3と1.2に落ちてしまったものの、今でも眼鏡はかけていません。 左右で視力が違うから、まっすぐ縫ったつもりが、斜めになる時があるけど(笑)。矯正したほうがいいんでしょうが、この歳だし、もういいかなと思って。 夜は、布団に入ればすぐに、ぐっすり眠りにつけています。トイレに起きてしまうことは何回かありますが、目が冴えた時はゆっくり深呼吸をすると、ストンと入眠できるんです。 日々できあがる新作のリメイク洋服は、自分が全部着るわけではありません。誰かがお茶を飲みに来る時、わざと部屋の目立つところに掛けておくんです。そうすると、「あら! いいわね」と話題になるから、気に入ってくれた人にあげるわけ。 先日、週に一度通っているデイサービスで敬老会が企画されて。そうしたら、私よりずっと若い人たちが、「着る服がないから行かない」なんていうの。せっかくの機会なのにそれはもったいない! 私が作った洋服から似合うものを着て参加する、そんなことができたら楽しいな。もう少し上達したら提案しようと思っています。 服をあげた人から、「来年はこれに合うアクセサリーをつけたいわ」といわれたことがあって。そういうふうな感想はすごく嬉しい! 若い先生たちに今度はアクセサリーの作り方を教わってみるのも楽しいわね。
◆小さなことから始めてみて デイサービスには4年前、90歳の時から通い始めました。といっても、自分のためではなく、20歳年下の義理の姪の付き添いです。 彼女は津波で夫を亡くした後、70歳で認知症になってしまった。働いている子どもたちだけではお世話が間に合わないので、親戚のなかで一番、時間のあった私が付き添いを買って出たのです。 初めて介護施設を訪れた時は、私のほうがまいってしまって。みなさんとてもおとなしくて、活気がないので……。そういう光景に不慣れだったものだから、「私が来る場所じゃないわ」と感じ、やめようと思いました。でも姪は乗り気だったから、じゃあ週に一度だけ、と。 でも、何度も通ううちに私も楽しくなってきたんです。それほど人の出入りが多いわけではないから、どんどん知り合いが増えて。自分とは違う人生を歩んできた人の話を聞くのは、いくつになっても勉強になります。嫁姑の愚痴を聞くのも、不謹慎だけど面白いですよ。(笑) 最近は、施設で2週間に一度の折り紙教室にも姪と通うようになりました。翌週、施設の玄関に自分たちの作品が飾ってあるのを見つけると、なんだか誇らしい気持ちになります。
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