「今後も専守防衛は堅持」岸田首相会見12月16日(全文2)
経済全体の中で負担感を払拭できるよう努力する
これはこの間の記者会見でもそうですが、今回も説明の中で申し上げましたが、現下の厳しい経済環境の中で所得税の負担、これが増えることはないようにしなければならない。こういったことを申し上げました。今回の措置によって、当面、15年後の2037年までは所得税の負担は増加いたしません。しかしその後、課税期間が延びることで2038年以降も付加税が続く、そうしますと負担が出てくるのではないか、こういった議論でありますが、これについては15年先まで、経済成長と賃上げの好循環の実現、経済政策として従来からこうした好循環を実現し、持続可能性をしっかりと回復しなければいけない、こういったことを申し上げてきました。こうした経済全体の中で負担感を払拭できるように政府として努力をしていく。こうしたことを併せて進めることによって、国民の皆さんの理解を得ていく努力をしていかなければならない。このように思っております。 司会:それではロイターの杉山さん。
製造業の国内回帰や海外の投資呼び込みに向けた方策は
記者:ロイター通信の杉山です。安全保障と経済成長に関する質問です。国家安全保障戦略には、安全保障を支えるために経済財政基盤の強化が重要との指摘があります。総理は昨日、Appleのティム・クックCEOと面談し、雇用や投資について意見交換をされました。政府も今後、民間の国内投資拡大に向けた取り組みを後押ししていくと承知していますが、製造業の国内回帰や海外からの投資呼び込みに向けて、どのような方策を採っていくお考えでしょうか。よろしくお願いします。 岸田:まず、過去、日本の企業の多くは円高等によって海外に製造拠点を移転してきました。一方で今、足元では円安基調であり、状況が変わってきているということです。また、経済安全保障の重要性が認識をされ、サプライチェーンの安定性が投資判断に大きな影響を持つようになる中で、安定的な投資先として日本の魅力、これはますます高まっていると思います。こうした投資環境を生かして、投資を引き出すための呼び水として、先日成立をした補正予算において7兆円規模、かつ複数年にわたる戦略的な投資支援を盛り込みました。半導体、蓄電池、ワクチン、食料などの戦略的な物資の国内の製造拠点整備、これにつなげていきたいと思います。さらに、海外からの投資を積極的に呼び込むために、対日直接投資の促進に向けた新たなアクションプラン、これを春に取りまとめるとしております。 先般、国内投資拡大のための官民フォーラム、こうしたフォーラムを開催いたしましたが、その際に経団連の十倉会長から、5年後にはバブル期に匹敵する、過去最高水準である毎年100兆円の投資という見通しが示されたように、日本経済に変革の兆しが見えていると感じています。すでに日本企業においても、製造拠点を日本に戻す動きが見られています。この機を逃さず、日本企業での国内での立地拡大、企業の国内回帰、そして海外企業においても、海外企業の投資拡大に政府として全力で取り組んでいきたいと考えています。以上です。 司会:それではテレビ東京、篠原さん。