「今後も専守防衛は堅持」岸田首相会見12月16日(全文2)
南西諸島地域の住民の理解をどう得ていくのか
司会:それではその次、共同通信の鈴木さん。 記者:共同通信の鈴木です。日米関係と沖縄について伺います。今回の3文書では自衛隊と米軍による抑止力強化が盛り込まれました。今後、日米間でガイドラインの改定を進めていくお考えはありますでしょうか。また、沖縄での陸上自衛隊の部隊増強が盛り込まれたことに、沖縄の玉城知事からは、自衛隊を増強するなら米軍の負担を減らすべきだとの声が出ています。南西諸島地域の住民の理解をどのように得ていくのか、総理のお考えをお聞かせください。 岸田:まず最初の日米ガイドラインの扱いについては、現時点でなんら決まってることはありません。まずは今回策定した3文書を踏まえ、日米間のあらゆるレベルで緊密な協議を行ってまいります。いずれにせよ国家安全保障戦略においても、日米同盟はわが国の安全保障政策の基軸であり続ける、このように記しているように、引き続きさまざまな分野における日米防衛協力をさらに推進し、日米同盟の抑止力、対処力、一層強化していきたいと思っています。 そして、ご指摘があった沖縄はじめ、この地域の皆さま方に対する説明ということでありますが、先ほども申し上げたように、安全保障環境、これは急速に厳しさを増している中、自衛隊の部隊増強により南西地域の防衛体制を強化していく、こうした考え方を文書の中でも示しております。これは万一有事が発生した場合の国民保護の観点からも重要な考え方であると思っています。同時に、安全保障上極めて重要な位置にある沖縄に米軍が駐留するということは、日米同盟の抑止力・対処力を構成する重要な要素であり、現下の安全保障環境ではその重要性はさらに増しているのではないかと考えます。 その上で、沖縄の負担軽減を図ること、これは政府の責任であります。普天間飛行場の返還をはじめとする、嘉手納以南の土地の返還、あるいは米海兵隊のグアム移転などについて、可能な限り早期の実現に取り組んでいきます。厳しい安全保障環境、あるいは沖縄の戦略的な意味、こうしたことについて、3文書の考え方について地元の皆さま方に丁寧に説明していく努力は、これからもしっかり進めていかなければいけない、汗をかかなければいけない、このように思っております。 司会:それでは、そのお隣、ジャパンタイムズ、高原さん。