「今後も専守防衛は堅持」岸田首相会見12月16日(全文2)
上から目線という批判にどう答えるのか
記者:テレビ東京、篠原です。今週の岸田総理の自民党役員会の発言についてお伺いいたします。防衛増税について当初、自民党は、総理が、国民が自らの責任としてしっかりその重みを背負って対応すべきものと発言したと紹介しまして、国民の中からはこの発言について、増税について上から目線だという批判も起こりました。その後、自民党側は、岸田総理は正しくは、今を生きるわれわれが自らの責任として発言していたと訂正をいたしました。 ここから質問なのですが、そもそもの総理の発言の真意はどこにあったのかということと、ニュアンスは実際とは違ったようですけれども、上から目線という批判が起こったことについてどうお答えになるのか、総理のお言葉でお聞かせください。また、実際の総理の発言と党側の発表に齟齬が生じた経緯についてもお聞かせいただければと思います。 岸田:これはかねて申し上げているように、私は自民党役員会において、国民の皆さまの平和で豊かな暮らしを守るために、今を生きるわれわれが未来の世代に責任を果たすためにご協力をお願いしたい、このように申し上げました。これが事実であります。しかしその後、それがマスコミの皆さんに伝えられる中で、批判を浴びるような文言に変わってしまっていた、こういったことであります。 この発言の紹介の齟齬については事務的なミスが原因であると思っています。今後はこのようなことがないよう徹底していきたいと思っています。ぜひ、私が実際発言した発言はどういう発言だったのか、これについてはしっかりと紹介させていただくとともに、その意味はまさにその文章そのものであります。ぜひ、私たちの世代が責任を果たしていくことの大切さを訴えた私のこの思いを国民の皆さまにもご理解いただき、ご協力いただきたいと思っております。以上です。
なぜ今、復興特別所得税に手を付けようとしているのか
司会:それでは次、河北新報の吉江さん。 記者:河北新報の吉江と申します。よろしくお願いします。与党は防衛費増額の財源に復興特別所得税を充てる方針を決めました。被災地からは復興に遅れが生じるのではないかという懸念が出ております。特に福島は廃炉への道筋も不透明で、再生は始まったばかりです。なぜ今、復興特別所得税に手を付けようとされているのでしょうか。ほかに選択肢はなかったのでしょうか。総理の認識を伺います。 岸田:まず復興財源については、所得税額に対して2.1%をお願いしている復興特別所得税を1%引き下げるとともに課税期間を延長し、復興財源の総額、これは確実に確保するということを説明させていただいております。その意味は、廃炉や福島国際研究教育機構の構築など、これからも福島をはじめ被災地の復興のためには息の長い取り組みが必要であると考えます。こうした息の長い取り組みについてもしっかりと支援できるよう、引き続き責任をもって取り組んでいく、こうしたことからこの期間の延長等も考えたということであります。そしてその上で、この減額分に相当する税率1%、ここに新たな付加税をお願いする、このようにした次第であります。 重ねて申し上げますが、復興財源については総額、まったく変わりはありませんし、また、引き続き息の長い対応をしっかり支援していかなければいけない。こういった姿勢を政府として示していくことも大事であると思います。いずれにせよ、このありようについての説明を含め、被災地の方々に寄り添った政府の姿勢や説明がこれからも重要であると認識をしております。以上です。 司会:では次の方。日経新聞、秋山さん。 【書き起こし】岸田首相会見12月16日 全文3に続く