何が明暗を分けたのか…ヤクルトの“神がかり“サヨナラ劇と裏目に出た阪神の矢野監督の”直接ゲキ”
ダッシュしてきた坂本がランニングスロー。タイミングはアウトだったが、送球がハーフバウンドとなり一塁の若林が弾いた。二塁走者の塩見は、とっくに三塁を回っていた。バックホームをあわてた若林がお手玉をしたときには、塩見はもうサヨナラのホームを駆け抜けていた。 「めちゃくちゃ気持ちよかった」という。 記録は山田の内野安打。若林がプロならばキャッチしなければならない送球だった。安全策を取るのであれば、坂本が冷静に判断をして一塁には投げず、三塁をオーバーランした走者の塩見をケアをしておけば、サヨナラ負けは防げていたのかもしれない。だが、こういう神がかり的なエンディングこそが、チームの勢いなのだ。 ヤクルトは連勝を6に伸ばして阪神とのゲーム差を2とした。引き分け数に大きな差があるため、実質のゲーム差は4.5だろう。 今日8日からいよいよ両チームの直接対決の3連戦を迎える。ヤクルトが初戦に勝てば優勝マジック「11」、引き分けでも「12」が点灯する。 6年前の優勝を知る山田が言う。 「雰囲気はすごいいい。でもまだ油断はできない。とにかく明日勝てるようにしっかりと準備したい」 ヤクルトは、3連勝中で、その3試合で1点しか失っていない若きエースの奥川、そして阪神は、2試合連続完封勝利の”切り札”高橋を中5日で先発に立てる。セの優勝チームを決めるといっても過言ではない、注目の最終決戦が始まる。