武知海青“覚悟”の一冊。『BULLET』完成までの道のりは…
――自身初の書籍のタイトルは「BULLET(ブレット)」。弾丸という意味ですが、ご自身で考案されたそうですね。 振り返るとこれまでいろんな挑戦をしてきたなと思うんです。サマスタ(サマースタイルアワード)にスポダン、柔道とかプロレスとか。一つひとつ高い壁なんですが、自分はその壁をパーンって突っ走ってきたなって思っていて。スピード感や破壊力で壁をぶち抜いて、また次の目標を定める、そんな自分は“弾丸”みたいだなって思って付けさせてもらいました。 ――ちなみに本書はこだわり抜かれた仕掛けがいくつか。お気に入りポイントは? 表紙も背表紙も僕が選ばせていただいた写真だし、ビジュアルカットも前半と後半で使っている紙を変えていたり…。挙げたらキリがないけれど、特にお気に入りなのは扉です。カラーの前に同じカットのモノクロのカットが重ねてあって、トレーシングペーパー(※半透明の紙)って言うそうなんですが、おしゃれですよね。あとは、買っていただいた方だけが分かるあの仕掛けです♡
――そして、やはりお伺いしたいのはインタビューページについて。テキスト量にも驚きましたし、武知さんの“すべて”ともいうべき内容だったのではないでしょうか? 本当にそうなんです。ビジュアルブックなのでやはり写真に目がいきがちなんですが、実はインタビューパートがいちばん力を入れたところでもある。約6時間分のインタビューが、話したままに書かれているので、ぜひ読んでほしいですね。 ――なぜここまでさらけ出そうと? 僕のこの体が出来るまでの経緯を知ってほしかったんです。元はぐうたら気質の僕が、なぜ肉体作りをしているかっていう理由を伝えたかった。きっと僕のことを応援してくださってるファンの方は、僕がぐうたらした性格だって言っても「嘘でしょ! そうは言ってもストイックじゃん」って思っていると思うんですが、本当の自分を知ってもらいたくてお話しました。弱い自分を打開する術がなくて困っているという、僕と同じ境遇にいる方もいらっしゃるかもしれない。僕がすべてをお話しすることでそういう方の手助けになれば、誰かを救えたらという想いがありました。僕の経験を文字にして発信したことで、もう隠すものも、怖いものもないので、これをきっかけに僕はもっと強くなるんじゃないでしょうか。 ――武知さんのご家族の対談も必見です。 僕は会話に参加せず、その場で聞いていました。「僕のことを今、どう思っているのか」、絶対僕からは聞けないことをスタッフさんが引き出してくれて、両親や姉ふたりの気持ちを聞けたのはすごく嬉しかったですね。完成した本を見せたんですが、母はインタビューの途中で読むのをやめていました。それは、きっと泣きそうになったから。僕の前で泣かないようにそっと閉じたのを見て、僕もグッときちゃいました。