両国国技館でデートしない?
新年早々、相撲観戦へ。相撲は知れば知るほど楽しいのだ。
もう亜熱帯かってくらい夏は暑くて長くて、秋は一瞬。と思ったら急に冬模様で、いつにも増して寒い。毎年言ってるような気もするけど、身も心もあったまりたいわけで。そこで思いついたのが相撲観戦だ。空調のある室内で、二人並んで座布団に座り、大柄の力士たちの衝突を間近で見る。幼い頃は実家のテレビでなんとなしに流し見するものだったけど、国技に向き合うとは大人になった今だからこそ楽しいものなのかもしれない。何でも動画で見られる時代だからこそ、生で観戦することはよりエンタメ性が高い体験だ。 王道すぎて誘うのが気恥ずかしいけど、やっぱり名所デートはいい。東京のランドマークをディグってポパイオリジナルのデートコースを作ったよ。 JR両国駅から出たらすぐに目に入るほど、国技館は駅から近い。駅直結の「江戸NOREN」という複合施設には、江戸の町家のような吹き抜け空間に原寸大の土俵がある。飲食店やお土産売り場もあるから、毎度覗いてみようかなと思った。肝心の国技館だけど、イベントがない日なら館内の一部に入場可能(もちろんホール内には入れない)というのは知っていた? 「相撲博物館」という小規模な施設では、改めて向き合うと知らなすぎる相撲の教科書的な知識を学べる。例えば、相撲の勝負を判定する行司さんや力士の髪を結う床山さんにも、力士と同じように階級があるのだそうだ。当たり前だけど、相撲は日本の伝統競技であり、落語などと同じように知れば知るほど面白くなる。そういう過程も彼女と一緒に楽しめるわけで、一人だと取っつきづらい伝統競技も二人なら、ってことだね。 本場所中しか入れなかった売店も、今は「常設売店」という形で開かれていて、キーホルダーや手ぬぐい、お菓子類などと一緒に、観戦中の名物「国技館やきとり」に使われているという秘伝のタレが売っていた。レジのおばさま曰く、肉じゃがに最高だそうだ。お土産探しに精が出て、見つけたのは国技館から歩いて5分ほどのところにある『國技堂』。和菓子屋さんではあるのだけど、なぜかここでしか買えないという「びんつけ油のかおり」がするボディソープを発見……。噂に聞く、お相撲さんの甘い匂い、というものを観戦前に知ってしまった。気になるお店は他にもあって、両国で古くから作られているメリヤスを使った草履を売る『MERIKOTI』もそう。力士は階級によって身につけるものなどが細かく決まっているらしく、例えば普段履きの雪駄は三段目以上になるとエナメル製で、序二段以下の力士は下駄を履くそうだ。やっぱりそうした知識を得ると、僕らも履いてみたくなるもので、雪駄でも下駄でもないけれど、まずは室内履き用に草履から。 夕食はもちろんちゃんこ鍋。『ちゃんこ 千代の富士』はその名のとおり、大横綱・千代の富士の元稽古場を改装したお店。入り口や玄関のつくりはまるで料亭のような高級感なのだけど、なんといっても見どころは実際に稽古で使われていた土俵がお店の中央にどーん、と鎮座し、それを眺めながら鍋をつつけるってこと。相撲観戦の余韻を味わうどころかさらに上げてくれる場所で、観戦後の感想を話すにも熱が入ること間違いなしだ。1月14日から初場所がスタートするし、あとはチケットを買うだけ。観戦も楽しみだけど、二人で準備するのもこんなに楽しいものなのだ。