乳酸菌は摂りすぎても大丈夫? 1日の摂取量目安を管理栄養士に聞く
最近よく耳にする「乳酸菌」や「腸活」という言葉。「自分も乳酸菌を摂取して腸活してみたい!」と思っている方も多いでしょう。 乳酸菌を増やすおすすめレシピ「バナナとブルーベリーのオリゴ糖ヨーグルトスムージー」 しかし、乳酸菌を摂取するといっても、どのように摂取するのがいいのか、どのくらいの量を摂取すればいいのか、迷ってしまう方もいると思います。そこで今回は、管理栄養士の永野さんに乳酸菌の事やおすすめレシピについて伺いました。
体内で乳酸菌はどのような働きをしているのか? 乳酸菌と体の仕組み
編集部: はじめに乳酸菌について教えてください。 永野さん: 乳酸菌の説明をする前に悪玉菌と善玉菌について説明させてください。まず悪玉菌ですが、その名のとおり腸内で人に悪さをする菌です。 たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。主に大腸菌などの事を指しますね。 編集部: なるほど。というと善玉菌は体内に有益ということですか? 永野さん: そのとおりです。善玉菌は乳酸や酢酸などを作り腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にします。食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ることができるのです。 また、善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。この善玉菌の代表としてよく挙げられるのが乳酸菌です。 編集部: 乳酸菌は体内でどのような働きをしていますか? 永野さん: 発酵によって糖類から乳酸を作り出す働きをしています。乳酸菌などの腸内細菌は小腸で消化吸収を受けなかった物質を分解(発酵)して糞便を形成しています。 乳酸菌を摂取することで、便通の改善や整腸作用、コレステロールの低減、免疫機能を高めるなどの働きがあると言われています。
乳酸菌の摂りすぎは要注意?栄養士が推奨する1日の摂取量と上限は?
編集部: 乳酸菌の効果はわかりましたが、摂取目安量が気になります。乳酸菌は摂りすぎても大丈夫でしょうか? 永野さん: 乳酸菌が多く含まれているヨーグルトや乳酸菌飲料、ぬかづけ、キムチなどの食品には乳酸菌以外の成分も多く含まれています。 乳脂肪や糖分、塩分、エネルギー量などの摂りすぎを防ぐためにも、適量がいいでしょう。サプリメントなどで摂取する場合は、そのサプリメントの目安量を守ってください。 編集部: ヨーグルトは一日何個まででしょうか? 永野さん: 農林水産省の「食事バランスガイド」には牛乳・乳製品は2つ(SV)と記載されています。健康な方でほかに牛乳や乳製品をとっていない方であれば、多くても2つまでが良いのではないでしょうか。 1日にまとめてたくさん摂るよりも継続して摂ることが大切です。糖尿病など生活習慣病がある方は、糖分控えめや無糖のものを選んでください。 参照:農林水産省「食事バランスガイド」について https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/ 編集部: ヨーグルトなどに書いてあるビフィズス菌とは何ですか? 永野さん: 乳酸菌の一種で、主に人間や動物の腸内に存在する代表的な善玉菌のことです。整腸効果だけではなく、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑える効果があると考えられています。 編集部: 乳酸菌を調べていると、プロバイオティクスっていう言葉をよく聞きますが何ですか? 永野さん: プロバイオティクスは乳酸菌や酵母など、腸内環境を整える微生物のことです。プロバイオティクスと別にプレバイオティクスという言葉もあります。プレバイオティクスとは大腸で乳酸菌の餌となり、プロバイオティクスを増殖させる働きのある食品のことです。