サッカーコラム 初出場優勝を狙う東海大相模 躍進の秘けつは切り替え力
【No Ball、No Life】第103回全国高校サッカー選手権大会が佳境を迎えている。11日に行われる準決勝に駒を進めたのは東海大相模(神奈川)、流通経大柏(千葉)、前橋育英(群馬)、東福岡だ。 【写真】聖地・国立への切符をつかんだチームを率いる東海大相模・有馬信二監督 都道府県別に見て4強のなかで優勝経験がないのは神奈川県勢のみ。他の3県は千葉8回(市船橋など)、福岡3回(すべて東福岡)、群馬1回(前橋育英)と全国の頂点に立っている。全国屈指の激戦区ともいえる神奈川県勢の最高成績は1950年度大会の小田原、96年度大会の桐光学園の準優勝となっている。 神奈川から4強に進出するのも2014年度大会の日大藤沢以来、10大会ぶりだ。聖地・国立への切符をつかんだチームを率いる有馬信二監督は「今年のチームは楽しむところは楽しむけど、切り替えられるというのはすごく感じる」と語る。 夏の高校総体には過去4度出場しているが、冬の選手権には今回が初出場。「中間試験のインターハイは点が取れるけど、期末試験の選手権では取れないというのが一番の悩みだった」と有馬監督。今年のチームも昨年夏の総体では16強入り。だが、それに満足することなく選手権に向けて切り替えた。 9月にある沖縄への修学旅行では楽しみつつも、引率の先生に許可を取ってサッカー部だけは朝は海岸をランニング。「チーム全員で『さすがに走ろう』となった」と背番号10のエースMF沖本陸(3年)。学校に戻ってから選手権予選を見据えた練習に支障がないように体力を維持した。 有馬監督は「夢のようなひと時ですね。本当に最高です」と、大会に入ってからも、たくましさを増す選手たちに目を細める。09年度大会の山梨学院大付以来となる初出場優勝へあと2勝だ。(山下幸志朗)