采配的中で初の連勝…BIGBOSSがピンチに自らマウンドへ向かった理由とは?
西武対日本ハムの4回戦が12日にベルーナドームで行われ、日本ハムが3-0で快勝。BIGBOSS新庄剛志監督(50)就任後で初めて連勝をマークした。 初回に今シーズン3度目の4番に座った松本剛(28)の左前タイムリーで先制すると、4回には右前打で出塁した松本が盗塁を成功させ、6番・ヌニエス(28 )の左前タイムリーで生還。守っては先発の加藤貴之(29)が7回途中まで無失点の好投を演じ、最後は開幕投手を務めたルーキー北山亘基(23、京産大)が三者三振斬りでプロ初セーブをあげた。 7回一死一、三塁から内野ゴロの間に1点を返され、なおもピンチが続くと思われた場面で、すかさずBIGBOSSがリクエストを要求。リプレー検証の末に本塁アウトに覆るなど、西武に流れを渡さない展開から連勝に加えて完封勝利、カード頭での勝利、さらにビジターでの勝利と、今シーズンにおける“初ものづくし”の一夜になった。
流れを変えるリクエストに成功
西武に傾きかけた流れを、BIGBOSSが強引に奪い返した。 好投を続けていた加藤が、7回一死から4番・外崎修汰(29)、5番・呉念庭(28)に連打を浴びて一、三塁のピンチを迎える。6番・山田遥楓(25)のサードゴロで外崎が突っ込む。野村佑希(21)が本塁へ送球するも、村山球審は両手を広げてセーフを宣告した。なおも走者が一、二塁。同点から逆転へ機運が一気に盛り上がった刹那にBIGBOSSが動いた。 リクエストの要求。リプレー検証の間、タッチプレーの映像がビジョンに映し出されるたびに西武ファンから拍手が沸き上がった。どの角度から見ても外崎が生還した判定は覆らないと映ったからだ。だからこそ、再び姿を現した村山球審が、一転してアウトを告げた瞬間にベルーナドームはどよめいた。試合後の辻発彦監督(63)の言葉を聞けば、捕手・宇佐見真吾(28)のタッチの方がわずかに早いとBIGBOSSが確信を持って要求し、成功させたリクエストとともに試合の流れを、そして勝利をもぎ取られたことがわかる。 「山田はこの前から非常にラッキーボーイ的なところがあって、何とかしてくれるかなと期待していたんだけど。でも、あのタイミングはアウトなんだよね。1点取れればまた変わったかもしれないけど、向こうも必死で来ているわけだからね」 判定がアウトに覆った直後。両手を大きく突き上げ、身体を回転させながら喜んでいたBIGBOSSはしかし、浮かれてはいなかった。自らマウンドへ向かい、それまで散発4安打かつ無四球、無失点の好投を演じていた加藤に93球での交代を告げた。