BIGBOSSが4番指名した清宮幸太郎の特大アーチは覚醒の予兆なのか…”はちゃめちゃ連敗”の中で光ったポテンシャル
BIGBOSS新庄の率いる日ハムが26日、敵地のソフトバンク戦に3-6で敗れて連敗を喫した。この日も前日起用した予告先発の堀瑞輝(23)をオープナーで使い1イニングで下げ、途中ローテー候補の河野竜生(23)もつぎ込んだが、2連続タイムリーに清宮幸太郎(22)のタイムリーエラーが重なるなど大量失点し、2日連続で小刻み継投は勝利につながらなかった。それでもオープン戦を通じて初めて4番に座った清宮が9回に2020年10月25日の楽天戦以来となる特大の今季1号を放ち、新庄監督の期待に応えた。BIGBOSSは初勝利を狙う第3戦の先発に伸び悩む吉田輝星(21)を指名。清宮を2試合続けて4番で起用することを宣言した。
「ボールの見逃し方がキャンプと違う」
BIGBOSSが願う“希望の架け橋”がPayPayドームに描かれた。4点を追う9回一死走者なしで「4番・一塁」でスタメン出場した清宮がソフトバンクの3番手、藤井の甘く入ってきたストレートを一閃。ライトスタンドへ高々と特大の今季1号アーチを放り込んだのだ。凄まじいメジャー級の打球だった。 “眠れる大器”の一発を新庄監督も大はしゃぎでベンチ前に出迎えた。 清宮は4回にも同じような角度でライトポールの上を舞う大ファウルを放っていた。新庄監督が初めて行ったリクエストは失敗に終わったが、それがホームランの予告になった。 報道によるとBIGBOSSにも予感はあったという。 「見逃し方が全然キャンプ中と違って雰囲気がよかった。打った後がかっこいいね。メジャーリーガーみたいだ」 だが一方で清宮は5回には二死二、三塁で栗原のファーストゴロを雑にグラブトスして、カバーに入った河野とタイミングすらあわずにボールが転々として2者生還を許す大チョンボ。19日のオープン戦での横浜DeNA戦では、ふがいなく2打席連続空振り三振に倒れ、懲罰の途中交代を告げられたこともあり、新庄監督がどう動くか注目されたが最後までチャンスを与えた。 2017年のドラフトでは、巨人、阪神、ヤクルト、ソフトバンク、楽天、ロッテ、日ハムの7球団が1位競合した。野茂英雄、小池秀郎の8球団競合には及ばなかったものの誰がも認めた逸材が、昨季は一度も1軍昇格がなく伸び悩んだ。新庄監督は、秋季キャンプで、その“眠れる大器“に減量を指令。100キロオーバーだった体重を約10キロ絞りキャンプでは特製のバットを使って手首を返さずに打つ打撃フォームに取り組んだ。内角球への対応と、打球にバレルゾーンと呼ばれる角度を付けるのが狙い。メジャーの流れをくむ球界のトレンドだ。昨季のパ・リーグのホームラン王、オリックスの杉本も同じ特製バットを使って手首を返さない新打撃フォームに取り組んでいたが、清宮の場合は、スイングの改造以前に、ストレートに差し込まれ、変化球にも対応できないというタイミングの取り方に根本的な課題があった。