TikTokで話題の86時間の水断食って? 試す前に知っておくべきこと
86時間の水断食の長所
専門家らは水断食を推奨しないいっぽうで、一般的な断食のメリットをサポートするいくつかの研究はある。2022年にジャーナル『ニュートリエンツ』に掲載されたある研究では、医師の監督下で13人の参加者らが10日間の断食を行ったところ、彼らは体重が減り、血圧も低下したことが判明した。彼らはさらに「新しい代謝恒常性」(代謝が通常とは異なるレベルで機能できること)も達成したという。 ジャーナル『ニュートリション・レビューズ』に掲載された2023年の科学的レビューによると、5~20日間の断食で「軽度から中度の体重減少(体重の2~10%減)」が生じることが判明した。ただし、体重減少の約3分の2は除脂肪体重から(残りの3分の1は脂肪量から)だった。研究者らは「除脂肪体重の過度な減少は、長期間の断食により筋肉たんぱく質の分解が増加する可能性があり、これは懸念事項である」と記している。 2022年に『ニュートリエンツ』に発表された、制限的な食事と断続的断食(水断食ではない)に関する別の研究では、18時間の断食と6時間以内の食事によって脂肪酸がケトン体に代謝され、それがエネルギーとして使用されることが判明した。さらに研究者らは、この食事パターンが体重減少の可能性を高め、血圧やコレステロール値の改善につながることも発見したという。「より長期的な結果についてはさらなる研究が必要であり、特定の健康状態の人は避けるべきですが、標準的な食事パターンでも不健康な体重増加を繰り返す人の選択肢の一つに断続的な断食を考えるのはありでしょう」と研究者らは結論付けている。 断続的断食(繰り返しになるけれど、水断食ではない)は、動物実験や人間での予備実験において、がん発症リスクやがんの成長速度の低下につながると考えられている。ただし、この研究は現在進行中。動物を使った研究では、断続的絶食(水断食ではない)がアルツハイマー病のリスク低下に関連していることも分かっている。