TikTokで話題の86時間の水断食って? 試す前に知っておくべきこと
86時間の水断食とは?
ホワイト会長は動画のなかで、86時間の水断食は “7日間の水断食” の一種であると話しており、より短い期間の水断食は “より安全な” アプローチだと言われた、と補足している。 ホワイト会長は「最初の24時間は水しか飲めないが、その水に電解質を入れるのはアリ」だと動画で語っている。(電解質の粉末はゼロカロリーのものを選ぶように、と伝えている。)「次の日から2日間は、ボーンブロスを一日2回飲んでもいい」と続ける。
水断食は安全なの?
水断食は一般的に推奨されるものではないけれど、安全性は人によって異なると栄養士らは強調している。「健康な人にとっては比較的安全です。糖尿病や心臓病の人、あるいは低血糖やそのほかの症状を起こしやすい人にとっては、水断食は非常に危険な場合があります」と話すのは、ラトガース大学保健専門学科で臨床予防栄養科の准教授を務める管理栄養士のデボラ・コーエンさん。妊娠中、授乳中、またはがん治療を受けている人、腎臓や心臓、肝臓に疾患のある人も、自宅で水断食を行うべきではないでしょう、と彼女は強調している。 「健康な人にとっては安全かもしれませんが、それでも賢い選択とは言えません」と話すのは、『ザ・スモール・チェンジ・ダイエット』の著者で登録栄養士のケリー・ガンズさん。「何らかの薬を服用している場合は、主治医に相談する前にこの断食を試すべきではありません」 ガンズさんは、水断食をすると体重が減るかもしれないが、再び食事を始めれば元に戻る可能性が高いと述べている。
86時間の水断食の短所
キートリーさんは、ホワイト会長の主張を「疑似科学」と呼び、彼は健康な52人を対象とした小規模研究と「不明確な動物研究の都合のいい部分だけを抜粋している」と語る。「人間を使った広範囲で長期的な研究が不足しています」とキートリーさん。「ミネラルを含まない水を大量に摂取するのは非常に危険で、心臓機能の病気を引き起こす可能性があります」 ちなみに、水断食ががんやアルツハイマー病の発症リスクを劇的に低下させるという主張を裏付ける「研究は皆無」だと、コーエンさんは話す。「もしそれが真実なら、飢餓や栄養失調に陥っている人は決してがんにならないはずです」 さらにコーエンさんは、水断食を行うと食事パターンが乱れる恐れがあるため、持続的な減量効果が得られる可能性は低いとも述べている。「うまく体重が減らせたとしても、新しい行動や食習慣の学びは得られず、そもそも望ましくない体重の原因となった行動を変える方法も学べないため、いいことではありません。くわえて、断食中は十分なエネルギーが得られず、身体活動を行うことができないでしょう」