【まとめ】絶対感動!ヒューマンドラマ映画37本!
余命3カ月の父親と息子の再生物語!『海辺の家』
それぞれのプライドや自我で反目し合い、それでも血の繋がりから本能的に相手を理解する……。そんな父と息子の関係は、映画をドラマチックに仕立てるのにうってつけ。『海辺の家』も、父子ドラマの最高のパターンのひとつだ。父のジョージは、42歳の建築デザイナー。息子のサムは16歳。ジョージは妻とも別れ、微妙な年頃で自分を憎むサムとうまく関係が築けなくなっていた。しかしジョージは会社も解雇されたうえに、病気で余命3カ月と宣告を受ける。残された人生の時間を考えたジョージは、最後に自力で家を建てようと、嫌がるサムを強引に誘い、手伝わせることに。 そもそも父のジョージが破天荒&変わり者キャラ。映画を観るわれわれも、サムの目線で父をうとましく思いながら、徐々に親子関係が修復され、一緒に家を建てるまでの感情の流れに乗ってしまう。予想どおりの展開とはいえ、観ていて心地良い。サムを演じたのは『スター・ウォーズ』のアナキン役で大ブレイクする直前のヘイデン・クリステンセン。名優ケヴィン・クラインの父を相手に、16歳の複雑な心情を演じきった才能に改めて感心してしまう。家を建てる海岸の美しさが、父子に再生する絆と重なって、いつまでも記憶にやきつくことだろう。
借金取りと女子高生の魂の結びつきに心が震える!『息もできない』
粗暴な借金取りのサンフン(ヤン・イクチュン)は、勝気な女子高生・ヨニ(キム・コッピ)と出会う。それぞれ心に傷を負った2人は強く惹かれ合い、魂と魂で結ばれていくが……。父親への激しい怒りと憎しみを抱えながら生きる男が、シンパシーを覚える相手との時間を経て自らの傷を癒していく。 主演も兼任したヤン・イクチュン監督による力強い演出の中で荒々しい描写が続くが、やがて見えてくるのは一筋の光。ボロボロの日常を送るサンフンとヨニは現状を抜け出し、幸せをつかみ取ることができるのか? まさに、息もできないギリギリのラインを進む展開が大勢の心を震わせ、各国の映画祭を席巻した。