【まとめ】絶対感動!ヒューマンドラマ映画37本!
暴力的な描写と衝撃のラストに驚愕『嘆きのピエタ』
極悪非道な手口で借金を取り立てることから、債務者たちに恐れられているガンド(イ・ジョンジン)。身寄りもなく、孤独に生きてきた彼の前にある日、母親だと名乗るミソン(チョ・ミンス)が現われる。当初は疑念を抱き、徹底して邪険に扱うガンドだったが、いつしかミソンの存在を受け入れるようになり……。 生まれて初めて母親の愛を知った男と、彼に無償の愛を注ぐ女のねじれた関係を描いていくヒューマンストーリー。監督を務めたキム・ギドクならではの痛々しく暴力的な描写と予想の斜め上を行く展開、衝撃のラストに心を疲弊させられる。ベネチア映画祭では審査員の支持を集め、金獅子賞を受賞した。
中年男性と孤独な少年の交流を描く!『スリング・ブレイド』
少年時代に母親とその浮気相手を殺害し、精神病院に入れられたカール。25年を経て故郷に戻ってきた彼は、父親のいない少年フランクと親しくなる。穏やかな日々を過ごすカールだったが、フランクの母親が恋人から暴力を振るわれていると知り、ある行動を起こすことに……。 カール役のビリー・ボブ・ソーントンが監督・脚本を務め、アカデミー賞脚色賞に輝いたヒューマンストーリー。設定も展開も苦味のあるものだが、寡黙で純粋な中年男性カールと孤独を抱える少年フランクの交流に心を温められる。だからこそやるせない気持ちにさせられるラストまで、淡々と綴られていくストーリーが心に沁み入ってくる。
スケートボードで結ばれた不滅の友情!『行き止まりの世界に生まれて』
舞台はイリノイ州ロックフォード。失業率の増加や人口減少が著しいこの都市で育ち、家庭内の問題に苦しみながらもスケートボードを唯一の拠り所として生きてきた3人の青年にカメラを向けた、10年以上に及ぶ歳月のドキュメンタリーである。なぜこれほどの長期にわたって定点観察できたのか。理由は簡単。3人の青年の一人が本作の監督であり、彼は映像作家を志す前から、ライフワークとして親友たちの素顔をずっと記録し続けていたからだ。 こうして撮り溜めた映像に加え、大人になった彼らの切実な現状や過去への述懐を紡ぎ合わせ、非常にレアで意義深い『都市と若者のクロニクル』になりえているところが驚嘆に値する。親友の回すカメラだからこそ、語られる言葉には親密さと真実味が溢れ、そして何より彼らがひとたびスケボーに乗ると、まるで羽根でも生えたかのように表情の憂いが消え、軽やかに解き放たれていく。その姿をスケボーで追いかけるカメラワークがこれまた秀逸。デビュー作ながらアカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞候補入りを果たした。