年金受給者1人を現役世代1.3人で支える時代が予想されていても年金制度は崩壊しない?社労士「長期的に見れば額は減っていくが…」
◆マクロ経済スライドとは そして、公的年金制度を長く存続させるために導入されたのが「マクロ経済スライド」です。 そのときの現役世代の人数や平均余命の伸び、経済状況に合わせて、徐々に年金の給付水準を調整する仕組みです。 もらえる年金額は、実は、毎年違います。 これは、毎年、前年の物価や賃金の変動をもとに年金額の改定が行なわれているからです。 この改定に、「マクロ経済スライド」による調整が入るようになったのです。
◆年金額が増えることもある 2022年の国民年金の満額は、年額77万7792円(月額6万4816円) 2023年の国民年金の満額は、年額79万5000円(月額6万6250円) 2024年の国民年金の満額は、年額81万6000円(月額6万8000円) このように年金が増えたのは、物価も賃金も上昇したからです。 電気にガス、ガソリン、それから食品、飲食費……、あらゆるものの値段が上がって、「またか」と何度もため息をつくことがありませんでしたか。また、大手企業を中心に賃上げのニュースを耳にしたことがあると思います。 このように、物価や賃金に合わせて年金額が増えることもあるのです。 2024年の年金額は、マクロ経済スライドの調整で、通常なら3.1%アップのところが、0.4%抑えられ、2.7%アップでした。 財政状況を踏まえ、社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付が引き下げられているという状況です。0.4%減ったという見方もできますが、0.4%程度の小さい下げ幅に抑えられているということも言えます。 長期的には年金は減っていくとはいえ、少しずつです。過度な心配や焦りはいりません。 ※本稿は、『もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活』(アスコム)の一部を再編集したものです。
社労士みなみ
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