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中国共産党を批判した「ポンペオ演説」 米国は本気で対中政策を転換するのか

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THE PAGE

 総領事館の閉鎖の応酬など再び対立が顕在化してきた米中関係。そんな中、ポンペオ米国務長官が対中政策について行った演説が注目を集めています。これまで米国の歴代政権は、経済発展が中国の民主化を促すという考え方の下、中国政策を進めてきましたが、そうした方針の転換を示したと捉えられているからです。今回のポンペオ長官演説にはどんな意図があるのでしょうか。元外交官で平和外交研究所代表の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。 【写真】「全人代」と「中国共産党大会」の違いは?

半世紀続いた「関与政策」からの決別表明

 ポンペオ米国務長官は7月23日、カリフォルニア州のニクソン記念館で新しい中国政策について重要な演説を行いました。これまで約50年間対中政策の基本であった「関与政策(エンゲージメント/engagement=中国を国際社会の一員として迎え入れ、変化を促していく政策)」からの決別を宣言するものであり、これだけ画期的な内容であれば、大統領が演説で打ち出す方が相応しかったと思われます。ポンペオ長官が演説にこの場所を選んだのは、「関与政策」の創始者であるニクソン元大統領に敬意を払いつつ、同政策からの決別を際立たせるためだったのでしょう。  同長官の演説の特徴は「関与政策からの決別」と並んで「中国共産党」を標的としたことです。そして、「中国は覇権を狙っている。ウィンウィンというが米国の利益は甚だしく損なわれている」との趣旨で不満を述べました。さらに、「毒気を含んだ中国共産党は中国国内ではますます独裁的になり、対外的にはますます自由に敵対的になっている。かつて旧ソ連についてレーガン大統領は『信用する、しかし検証する』と言ったが、中国共産党については『信用せず、検証しなければならない』」などと激しい口調で攻撃しました。  ポンペオ長官は、新型コロナウイルスの感染への対応をはじめ、安全保障上の脅威、台湾への締め付け、香港や新疆ウイグル自治区における民主的活動の抑圧、米国内でのスパイ活動、サイバー攻撃、知的財産権の侵害、さらには中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)による情報流出疑惑など中国共産党政権が陰に陽に起こした問題を包括的に指摘しました。  そして次のいくつかの点を強調しました。 「我々が中国に求めているのは公平性、相互性、透明性、アカウンタビリティである」 「中国人は共産党とは全く別であり、ダイナミックな自由を愛する人たちである。我々は中国人を助けエンパワーしなければならない」 「我々が今行動しなければ中国共産党は我々の自由を侵害し、ルールに基づいた秩序を覆すだろう。自由世界が中国共産党を変えなければ、彼らは我々を変えるだろう」 「中国について同じ考えの国々が新しいグループを、新しい民主主義の同盟を形成すべき時が来ている」

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