日銀・黒田総裁会見6月18日(全文2)経済状況が違う中で金融政策が異なるのは当然
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に記者会見(2021年6月18日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁、金融政策決定会合後に記者会見(2021年6月18日) ◇ ◇
コロナ禍が物価に与える影響は
ニッキン:ニッキンの【タダ 00:26:26】と申します。これまでの質問と関係するんですけれども、コロナ禍が物価に与える影響についてなんですが、以前、昨年の秋ごろだったかと思うんですけれども、関連で伺った際にエコノミストの世界的な議論の方向性ですとかコンセンサスを踏まえつつ、どちらかというとデフレ的な影響を意識されていたのかなとも思うんですけれども、それから一定期間がたってコロナワクチンの接種率も高まる中でなんですが、総裁ご自身のご認識ですとか見通しに変化があるのか、短期と中期ですとか、あと国内外ですとか、視点によって見方が異なるのかもしれないですけれども、今のご見解を伺えればと思います。 あと関連してかあれなんですけれども、ワクチンの接種が日本も含めて進んでいる中で、総裁ご自身は、ワクチン接種はされたのでしょうか。差し支えなければ教えていただければと思います。 黒田:コロナ感染症がもう世界的に広がっている下でさまざまな公衆衛生上の措置も取られ、また、人々自身も行動様式を変容させるっていう形で、特にサービス消費などを含めて急激に経済活動が低下していったという下で物価にもマイナスの影響が、これは日本というだけでなく世界的に生じていたわけですが、逆に言うとグローバル金融危機のときとか、あるいはアジア通貨危機、金融危機のときのように、経済構造というか金融システムというか、そういうものが壊れて不況になり物価も下がるという状況ではなくて、あくまでも感染症、コロナ感染症の影響、それに対して公衆衛生上の措置が、強い措置が取られると、あるいは人々が外出とか対面型サービスを抑制するということがあったわけですので、感染症自体がワクチンの接種の普及などを通じて減少してくる、心配がなくなってくるということになれば当然、消費も戻ってくると。 その場合に、この伸び率の数字で見ると、いわゆるベース効果というか、対前年で見るとものすごい上昇率に見えるということなんですけども、また、そのペントアップディマンドっていう要素もあるいはあるかもしれないということで、少なくとも米国あるいは欧州の一部を見ますと、かなり景気の回復とともに物価上昇率も急速に上昇してきている。ただ、その中にベース効果の部分とか、消費が急速に拡大する中で一時的に供給が追い付かなくて上がっている部分もありますので、本格的にインフレになるということになっているとはなかなか考えにくいと思うんですね。