《捨てる片づけ》を手放そう。片づけ心理カウンセラーが提言「リラックスできる物の量は人それぞれ」「捨てるのが全て正しいわけじゃない」
インテリアコーディネーターの経験と心理カウンセラーの知識を元に、「片づけ心理カウンセラー」として4000人以上の方の悩みに答えてきたおむらちもさん。実は、自身も汚部屋出身だったそうで……。その経験から導き出した、無理なくスッキリした部屋が続く意外な秘訣とは?おむらちもさんの著書『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』より一部を抜粋して紹介します。 【書影】片づけ心理カウンセラーとして、自身の汚部屋だった経験をもとに「4000人以上」の方の悩みに答えてきたおむらちもさん著『不思議なくらい部屋が片づく魔法の言葉』(幻冬舎) * * * * * * * ◆大切な物は捨てなくていい 魔法の言葉:私は本当はどうしたい? 「私は物が捨てられないダメな人なんです!」そんな風に言われる方がよくいらっしゃいます。 「捨てるのが大切だ」という考え方は、ここ20年~30年くらいで浸透した価値観と言えるかもしれません。 戦後の物がない時代から、高度経済成長で様々な物が手に入る時代になり、人々は、物があることが豊かだということを痛感し、家の中の物はどんどん増えていきました。 物不足の時代の反動で昭和に生きた人々は、たくさんの物を所有するのが幸せだと感じていたんですよね。 そこから、経済が安定し、物が当たり前に手に入れられる時代に突入すると、人々は物をたくさん持つことには幸せを感じなくなりました。 たくさんの物を所有するよりも、自分にとって大切な物を厳選して持つのが豊かだと言われる時代になりました。 そのように、時代によって物への認識は変わり、「豊かさ」の定義も全く変わってきたんですよね。今の時代に生きる私達は、肌感覚で「今の豊かさの価値観」を感じ取っています。
◆だから、物はそんなに必要ない 捨ててスッキリする方が快適で豊かだと感じているんですね。なので、物を捨てたいと思うことは、今の時代に生きる人達にとってとても自然なことです。 でも、一方で母や祖母の時代の「物は捨ててはダメ」「物は捨てたらもったいない」という価値観も植え付けられているので、そのギャップに苦しんでしまう人が多いんです。 そして最近は、「物を捨てる方がいい」という価値観が誇張されすぎて、物を捨てられないことに過剰に罪悪感を覚えている人も多いような気がします。 ここ15年くらいで「ミニマリスト」と言われるような、すごく所有物が少ない人達が注目され、憧れられるようになり、「とにかく物を減らすのが正義」「ミニマリストを目指すべき」と思っている人も増えました。 私はミニマリストを否定するつもりはないし、一つの価値観としてありだと思います。 ただ、極端に物を減らすことは、様々な場面で制限をする必要があるので、趣味のような感じで、楽しんでいける人なら、目指していってもいいのかもしれませんが、ミニマリストが正しいわけでも、ミニマリストを目指さないといけないわけでもないんですよね。
【関連記事】
- 片づけをやらなきゃと思っているのに、できないのには理由があった!汚部屋生活から転身した片づけ心理カウンセラーが教える、スルッと片づける〈魔法の言葉〉
- 物を捨てられないのは、あなたが優しい人だから。汚部屋出身・片付け心理カウンセラーが伝えたい「自分のことを優先するバランス」とは
- 大掃除は完璧を目指してはいけない。片づけ心理カウンセラーが指摘「完璧主義の人の部屋ほど散らかっていることが多い」の不思議
- 「大掃除前の今だからこそ捨てておきたい!」キッチン、リビング、洗面所…。整理収納のプロが処分したいモノとコツを場所別に紹介
- あなたの引き出し、ゴミ箱になっていませんか?断捨離の第一人者・やましたひでこさんが教える「引き出しの中」と「心の状態」の深い関係