《捨てる片づけ》を手放そう。片づけ心理カウンセラーが提言「リラックスできる物の量は人それぞれ」「捨てるのが全て正しいわけじゃない」
◆捨てることが必ずしも正しいわけではない 私のところへ相談に来てくれた方で、こんな人がいらっしゃいました。「ちもさん、私、物が捨てられなくてずっと悩んでいるんです。そのことで、何十年と自分のことを責めてきました」とおっしゃっていました。 その方に、捨てられない物は何か聞いてみたら、とっても大切にされている趣味の物とのことでした。 収納する場所がないんですか?と尋ねたら、その方の家は広く、子供が巣立って、空いてる部屋がいくつもあるそうです。なので、収納場所に困っているわけでもなさそうです。 「え?そんなに大切な物なら、場所もあるし、捨てなくていいじゃないですか!」私がそう言うと、その方は、「え!?本当に捨てなくていいんですか!?捨てないといけないと思っていました!ありがとうございます!」と涙を流されました。 この方は、自分の思いや家の状況など何も考えず、ただ「捨てることが正しい」「捨てられないのはダメ」と思い込まれていたようです。 実は、片づけで悩まれている方で、同じように思われている方は結構いらっしゃいます。
◆なんでもかんでも捨てる必要はない また、こんな方もいらっしゃいました。「私、ミニマリストの人の本を読んで、捨てたら幸せがやってくると思って、どんどん捨てていったんです。 そうして、ふと気がついたら、殺風景な刑務所みたいな部屋になっていて……寂しくなって、心がギスギスしているんです」とおっしゃっていました。 この方は、捨てることで幸せが来ると信じて頑張ったそうですが、思っていたようにはならなかったようです。 人によって、どんな部屋が心地よいか、ほっとするかは違うんですよね。物が極端に少ない生活やスッキリしすぎた空間にストレスを覚える人も多いです。捨てるのが全て正しいわけじゃないんです。 日本の住宅事情を考えると、収納にゆとりのある家の方が少ないと思うので、所有する物の量と家という器の大きさとバランスを見て、合わせていくことも、もちろん大切なんですが、なんでもかんでも捨てる必要はないんです。 自分が幸せに快適に暮らすためには、自分の気持ちも大切にしながら、調整していくことが大切です。
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