内部文書も流出…秀岳館サッカー部の問題は段原監督の退職、”暴力コーチ”の懲戒免職で幕引きにしていいのか…難しくなった真相解明
保身に関しては11日発売の「週刊文春」が中川靜也校長への取材を介して、段原監督がサッカー部監督を実質的に更迭されたと報じた。同校を運営する学校法人八商学園の理事長も務める中川校長はしかし、教職員として解雇するのは難しいと答えている。 あからさまに暴力を振るった証拠が残り、暴行容疑で書類送検されたコーチと異なり、段原監督には暴行などの疑いがこの時点ではかけられていなかった。それでも解雇された場合の同監督の対応として、中川校長は「週刊文春」にこう答えている。 「本人も『解雇したら(不当解雇などの)裁判にかける』と」 サッカー部を指導できなくなっても、教職にだけは何がなんでもしがみつく。徹底抗戦する構えすら見せていたはずの段原監督が、わずか数日で態度をひょう変させた。ここで浮かび上がってくるのが、TBSテレビによる報道だ。 12日に放送された同局の各ニュースが、10数年前に同校サッカー部に在籍していた複数のOBの証言として、段原監督から何度も暴力を振るわれたと告発したことを報じた。 記者会見で自身が暴力を振るったことがあるかと問われた段原監督は、言下に「ありません」と答えている。報道の通りならば公の場で堂々と嘘をついたことになり、指導者としてだけでなく教育者としての責任も学校側から追求される可能性もあった。 懲戒処分を下され、最悪のケースとして免職されるよりは、管理者として一連の騒動の責任を取るとして依願退職した方が、退職金を手にできる意味でも段原監督にとって都合がいい。学校側としては受理せずに、預かりとすべきだった。 実際、当該コーチは書類送検される前の4月23日に退職願を提出していたが、学校側は受理していない。全校生徒へのアンケート調査で、過去2年あまりの間に今回とは別に24件もの暴力行為が判明したなかで懲戒免職処分が下された。 滝沢ガレソさんが公開した内部文書には、コーチへの処分理由も記されていた。 「生徒への暴行を複数回繰り返し、生徒及び保護者の信頼を著しく損ねたため」