【日本代表の最新序列】南野拓実が久保建英や鎌田大地よりスタメンが多い理由は? 鈴木彩艶、町田浩樹、小川航基などが評価急騰
日本代表は9、10、11月にFIFAワールドカップ2026・アジア最終予選(3次予選)で、5勝1分の22得点・2失点とほぼ盤石の歩みを見せた。この6試合におけるポジション別の序列を改めて整理したい。 【映像】久保建英、「メッシ+ネイマール」の超高速テクニック システムは6月シリーズに再導入した3-4-2-1で固定。森保一監督は、第二次政権で基本形にしてきた4-2-3-1や4-3-3と比べればより攻撃的なプレーヤーを多くピッチに送り出せるこの陣形で6試合を戦った。 GKは6試合連続で鈴木彩艶(パルマ)がフル出場。11月のインドネシア戦と中国戦では決定的なビッグセーブも見せており、守護神の座を盤石とした。バックアッパーは全て大迫敬介(サンフレッチェ広島)と谷晃生(FC町田ゼルビア)で、カタールW杯後に何度が招集歴された前川黛也(ヴィッセル神戸)、中村航輔(ポルティモネンセ)、シュミット・ダニエル(ヘント)らは一度も声が掛からなかった。 3バックは9月と10月が右から板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(シント=トロイデン)、町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)のトリオがレギュラー。谷口が怪我で不在だった11月は、中央に板倉を回し、右CBに橋岡大樹(ルートン)と瀬古歩夢(グラスホッパー)が入った。若手は高井幸大(川崎フロンターレ)が9月の中国戦で約20分だけ出番を得たのみで、望月ヘンリー海輝(町田ゼルビア)と関根大輝(柏レイソル)は出番なしだった。 とりわけ評価を高めたのが町田だ。DF陣で唯一の6試合フル出場し、攻守で高い貢献を見せた。谷口はアキレス腱断裂の大怪我ゆえ復帰の見通しが立っていないもの、いずれも怪我で9~11月は呼べなかったが実績的には主力級の冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン)、9月に呼ばれていたが10、11月は負傷中だった中山雄太(町田ゼルビア)、さらに20歳のチェイス・アンリ(シュツットガルト)なども今後は合流してくるはず。競争はより熾烈になるが、それでもスタメンの座を守っても不思議はないほど、今の町田は充実している。 ダブルボランチは、遠藤航(リヴァプール)と守田英正(スポルティング)が絶対的な存在。とくにウイングバックに攻撃的なキャラクターを置く現在の3-4-2-1では、2人のスペース埋め、タメ作り、ゲームコントロールなど、攻守のバランス感覚が不可欠に映る。失点した2試合は、奇しくもいずれかが不在だった(10月のオーストラリア戦は遠藤、11月の中国戦は守田が未出場)。 代わりに両試合で先発だった3番手の田中碧(リーズ)は縦の飛び出しが最大の持ち味で、遠藤や守田と比べるとなど現チームのボランチに求められる仕事が決して得意ではない。10、11月に呼ばれたものの出番なしだった藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)を筆頭に、A代表はまだ未招集の松木玖生(ギョズテペ)なども含め、今後は新戦力の台頭が期待されるセクションだ。 右ウイングバックは、5試合連続スタメンだった堂安律(フライブルク)が一番手、伊東純也(スタッド・ランス)が二番手、菅原由勢(サウサンプトン)が三番手という序列。逆足の堂安、縦に切り裂ける伊東、本来はSBで守備力も高い菅原とタイプが異なり、とりわけ堂安と伊東は総合的に見て甲乙つけがたい。今後も相手と状況に応じて使い分けていくはずだ。 左ウイングバックは5試合連続先発だった三笘薫(ブライトン)が絶対的な存在で、中村敬斗(スタッド・ランス)と前田大然(セルティック)がスーパーサブの立ち位置。中村は先日の中国戦で最終予選初先発を飾ったが大きなインパクトを残せなかっただけに、今後も余程のことがない限り序列は変わりそうにない。37歳の長友佑都(FC東京)は招集され続けたものの、6試合連続でベンチ外だった。 シャドーは6試合連続スタメンだった南野拓実(モナコ)への信頼が最も厚い。相棒の座は久保建英(レアル・ソシエダ)と鎌田大地(クリスタル・パレス)がスタメン3試合ずつ、6試合の合計プレータイムもほぼ互角(久保が272分、鎌田が278分)と完全に分け合ってきた。足下でボールを受ける傾向が強く中盤に下がっての仕事も得意とよりMF的な久保と鎌田を並べるよりも、本質的にはオフ・ザ・ボールの動きに特長のあるセカンドトップでありプレス強度も最も高い南野といずれかと組ませたほうが、攻守ともにバランスが取れるとの判断だろう。 4番手以下も10、11月は負傷で選外だった浅野拓磨(マジョルカ)、インドネシア戦でようやく出番を得た旗手怜央(セルティック)、さらに試合途中から三笘、堂安、伊東をこちらに回すオプションも試行されている。最終予選は招集外だったもののパリ五輪世代の鈴木唯人(ブレンビー)、斉藤光毅(QPR)、平河悠(ブリストル・C)、三戸舜介(スパルタ)などもヨーロッパで鎬を削っており、質的にも量的にも最も充実しているセクションだ。 CFは9、10月の4試合でスタメンだった上田綺世(フェイエノールト)がレギュラー。その上田が怪我で呼べなかった11月に2試合連続先発だった小川航基(NEC)が二番手だ。小川は9月と10月は途中出場から1ゴール、11月は中国戦で2ゴールとしっかり結果を残しており、今後は上田とのスタメン争いが激化しそうな気配だ。 三番手は9月のみ呼ばれた細谷真大(柏レイソル)、10月に初招集された大橋祐紀(ブラックバーン)、11月に約1年ぶり復帰した古橋亨梧(セルティック)などが担ってきたが、まだ“常連”にはなっていない。今シーズンのブンデスリーガで9試合4ゴールと結果を出している町野修斗(ホルシュタイン・キール)などにも今後はチャンスがあるだろう。 次の日本代表活動は来年3月の最終予選2試合(20日のバーレーン戦、25日のサウジアラビア戦)。多士済々の森保ジャパンの顔触れと序列がどう変化してくるのか。注目したい。 (ABEMA de DAZN/サッカー日本代表)
ABEMA TIMES編集部