春から夏にかけての天文ショーとは
春分の日が近づくにつれ、少しずつ暖かくなってきた今日この頃。夜の気温も穏やかになっているので、これからの季節、屋外に出て天体観測を楽しみたいところだ。 ■2年2カ月ぶり火星も“接近”する 春から夏にかけての天文ショー。まずは、4月14日に火星が大きく見える。地球まで9,239万キロメートルのところまで接近する。2003年には5,576万キロメートルまで大接近したので、今回は“中接近”といったところ。地球と火星の接近は約2年2カ月ごとに起きるので、次は16年5月30日に7,528万キロメートル、18年7月31日には5,759万キロメートルまで大接近するという。35,000万キロ以上も離れることもあるので、それから比較すれば、3倍以上の大きさで見えることになる。 ■大出現の可能性も「 みずがめ座η(エータ)流星群」 流星群では、5月6日ごろに「 みずがめ座η(エータ)流星群」が極大となる。昨年10月の「オリオン座流星群」と同じで、「ハレー彗(すい)星」の通り道を、地球が横切ることで出現する流星群。昨年は、オリオン座流星群が低調だったのに対して、「 みずがめ座η流星群」は1時間あたり120~140個と、例年の2、3倍の流星数。日本ではマイナス10等級の「火球」も観測された(同じ等級の明るさは半月。満月は-12.7)。2014年も続いて大出現するかもしれない。 5月24日夕刻には「リニア彗星」(209P/LINEAR)を起源とする流星群の出現も予想されている。放射点は「きりん座」で天の北極に近く、出現数は1時間あたり50~200個と予測されるが、出現時刻は日本時間午後4時40分ごろと日没前なので、はっきり見えるかどうか分からない。 7月下旬から8月下旬は複数の流星群が出現し、一年中でもっとも多くの流れ星が見られるシーズンになる。「みずがめ座δ(デルタ)流星群」のうち主力の「みずがめ座δ南流星群」が7月30日、さらに「やぎ座α(アルファ)流星群」も同日ピークを迎え、8月13日には「ペルセウス座流星群」、同18日には「はくちょう座κ(カッパ)流星群」も極大となる。