【大学野球】最後は気力の消耗戦で法大に敗れた立大 次につながる小畠一心149球の力投
延長に突入した4回戦
【9月24日】東京六大学リーグ戦 法大3x-2立大(延長13回) (法大2勝1敗1分) これぞ、対抗戦の醍醐味だ。1勝1敗1分。法大と立大による勝ち点をかけた4回戦は、意地のぶつかり合いとなった。2対2のまま決着はつかず、9回を終えた。東京六大学リーグ戦に、延長タイブレーク制はない。 1試合開催の勝ち点勝負をかけた一戦は、延長15回までである。立大のマウンドを守り続けていたのは、背番号18を着けるエース・小畠一心(3年・智弁学園高)だった。 小畠は試合中、立大・木村泰雄監督に「15回まで行きます」と、最後まで投げ切る覚悟を示していた。小畠は10回裏を抑えると、雄叫びを上げた。そして、三塁ベンチに引き揚げる際には「さあ、行くぞ!!」とナインを鼓舞。打線の奮起を促した。自らも、まだまだ行けるぞ、というシグナルを送っていた。木村監督も意気込みを十分、買っていた。しかし、学生を預かる身である。心を鬼にして、どこかのタイミングで動かなければならない。 「9回かな? とは思いましたが、10回を行かせて、そこが限界だ、と。それ以上は……。本人は行ける、と。行けたかもしれませんが、9回を終えて130球を超えたところが(私の中で)一つの決断となりました。気持ちが入っていて、何とか、勝たせてやりたかった」 11回からはリリーフエース・吉野蓮(3年・仙台育英高)が、小畠からのバトンを受けた。前日の3回戦では、立大が7回裏に1点を勝ち越した8回表から救援したものの、その回に3失点で逆転を許した。リベンジのマウンドは、木村監督からの信頼の証しだった。 吉野の投球からは、気迫がみなぎっていた。11回、12回を無失点に抑えると、背番号18が真っ先に三塁ベンチを飛び出した。小畠は降板後もチームの先頭に立ってムードを上げ続け、吉野を笑顔で出迎えた。一方で木村監督は、もう一つの決断に迫られていたが……。 吉野は13回裏、一死走者なしから法大の五番・松下歩叶(3年・桐蔭学園高)、に痛恨のサヨナラソロ本塁打を浴びた。 「(吉野は)本来は1、2イニングというところで、行けるところまで、と……。昨日以上にボールに、気持ちが入っていました。ホームランを打たれましたが、他の投手も控えている中で(3イニング目を行かせた)、判断ミスだったか……」(木村監督)