「おねがい わらって」我が子の笑顔が失われていく 世界でも症例の少ない難病と闘う女の子とその家族の今
“重度心身障がい”重くのしかかる重圧から母親を救ったひとこと
医師から「重度心身障がいです」と告げられたとき、めいちゃんは追視をしない、手足も自分の意志で動かせない、そんな状態でした。 我が子の姿をいつもみていた西山さんは、頭ではわかっていたはずでしたがやはり医師から伝えられたときはかなりショックだったと話します。 「重度心身障がい」という言葉、さらにはかなり稀で症例が少なく今後の見通しが立たない病気。その事実に思い悩む西山さんに、母親は「そのままでいいやん」と言ってくれました。その言葉をきっかけに「周りと違うけど、めいはめいなんだ」と思えるようになったといいます。 現在4歳のめいちゃんは、今のところ医療的なケアは必要としておらず、特徴的な症状である「重度の低緊張」のために身体の体勢を保持する専用の椅子や抱っこ紐を使って生活しています。 めいちゃんの遺伝子異常は世界でも症例が少なく、めいちゃんがこの先どれだけ発達していくのかは未知数です。 4歳になったとき主治医の先生がめいちゃんの様子をみて「首は座ってるでいいんじゃないかな?」と言ったそうです。ゆっくりですが前に進んでいるめいちゃん。この先もひとつ、またひとつと、できることが増えていくことが期待できますね。 母親である西山さんが気にかけるのは自分たちがお世話ができなくなったときのことでした。現代の医療では将来めいちゃんが自分の力だけで生活することは難しいでしょう。そうなったときにめいちゃんが笑顔でおだやかに過ごせる場所を見つけたいと、西山さんは話してくれました。
めいちゃんと兄妹
西山さん一家にはお子さんが3人います。9歳の蒼佑くんと、2歳の紡生ちゃんです。3人兄妹の普段の様子を西山さんに聞いてみました。 蒼佑くんにとってめいちゃんは「守るべき存在」「大切な妹」「病気と闘っている強い妹」で、常に優しく接しているということでした。 妹の紡生ちゃんは、産まれたときから当たり前にめいちゃんがそばにいました。どこの家庭でも見られるように、持っているおもちゃがほしいと思えば取り上げるし、あげたいと思ったらあげる。気に入らなければ叩くし、泣いていたらヨシヨシするのだそう。 兄妹にとって、それが自然な家族の形でしょう。そんな兄妹の日々のやり取りはInstagramの投稿に度々登場し、見た人をほっこりした気持ちにさせてくれます。