25歳でホストから福祉の道への転身を決意。 スウェーデンへ赴き帰国後”NPO法人”を設立その訳に迫る
活動を進める中で多くの人や機会に恵まれた
こうした苦労を乗り越えるには「人や仲間、タイミングに恵まれたこと、家族の理解、自分の体力があったこと」が大きく関係していました。 まず、NPO法人を設立するためには、10名以上一緒に活動してくれるメンバーを集める必要があります。そこで橋本さんは、福祉業界で活躍している方々に会いに行き、NPO設立の目的を説明して賛同を得ました。 「幸い、ほとんどの方が賛同してくださり、すべて無償での協力となるため思いを共有できたことが心強かったです。また、設立当初は事業拡大ということはまったく念頭においておらず、とにかく目の前課題を解決するための法人ということで人事制度や金銭的な保証もない中でメンバーが一丸となって動いてくれていました。そのことは今でも誇らしいです」 また、事業が安定するまで「家族も貯金を切り崩しながら工面してくれたので助かりました」と家族の力も大きな支えとなりました。 橋本さんがNPO法人を設立した当時は、今ほど就労支援に関連する制度や資源がありませんでした。 「就労支援に特化し、特に企業への支援やネットワークづくりを行ってきた当法人の活動実績が業界の中でも認知として広がり、行政からの委託や国の事業を受けられる機会に恵まれました」 さらに、この機会によって事業が安定し、充実した支援に繋げられるようになったのです。 「当初は課題解決型で動いていましたが、社会にも必要とされる法人になったことで、事業の安定化も信頼の1つであることを実感しました」と当時のことを話してくれました。 またこれらの行動をして行くうえで、橋本さん自身に気づきがあったといいます。 「これまで体力が有り余っていることが多い人生でしたが、この時期には思い切り自分を使い切っている実感があり、忙しい中でも充実していました。この経験から、自分には時間がきっちり決まっている働き方よりも、毎日使い切る働き方の方が合っていることを実感しました」