25歳でホストから福祉の道への転身を決意。 スウェーデンへ赴き帰国後”NPO法人”を設立その訳に迫る
NPO法人WEL'Sの設立について
30歳のときに、NPO法人WEL'Sの設立を果たした橋本さん。その仕事内容について聞きました。 「障害のある人の就労支援という仕事をしています。就労支援とは、障害のある人がその人の持つ能力を活かして能動的に社会(働くこと)に参加することを支援する仕事です。働きたい障害のある人が本来持つ力を発揮するために必要なのは『情報不足の解消』だと考えております。近年、法律や制度の影響によって企業で障害のある人の雇用相談が増えていますが、情報不足や理解不足によるミスマッチも増えている状況もあります。私たち就労支援者は、ミスマッチを解消するために働きたい障害のある方と雇用したい企業との橋渡し役となっています」 現在はこうした仕事ができるようになりましたが、これまでには多くの苦労がありました。 まず法人を立ち上げるといっても、個人資産があるわけでもなく資金繰りに苦慮したといいます。しかし、当時解決したい課題に対して時間をかけるわけにもいかなかったため、動きながら考えようということに…。 またNPO法人にした理由については「法人格の中で唯一『0円』で設立できる法人というものが大きかったです。もちろん、課題解決型であり非営利型で運営していきたいという思いもありNPO法人にしたという理由もあります」と話します。 法人印はフリーマーケットに出店して、その売り上げで作ったといいます。 そしてやっとの思いで立ち上げたものの、しばらくは売上もままならず、自身への報酬額は月額6万円程度。そのため、夕方以降にバイク便などの仕事をして繋いでいました。 「当時は新たな取り組みをするNPO法人でしたので、理解を得ることが難しい場面もありました。たとえば、企業が障害者雇用を進めるプロジェクトに参画して、マッチングがうまくいくように情報を整理して関係団体と情報共有する仕組みづくりを進めたのですが、見方によっては『企業情報を囲っている(独り占めしている)』という誤解が生じてしまったのです」 また、当時橋本さん自身は茶髪で長髪。それが福祉業界で浮いていたようで「胡散臭い」という声もあったといいます。