25歳でホストから福祉の道への転身を決意。 スウェーデンへ赴き帰国後”NPO法人”を設立その訳に迫る
実際にスウェーデンへ
知り合いもまったくいない中、スウェーデンを訪れるという行動力、そしてそのような行動がなぜできたのかについて、橋本さんはこう話します。 「目で見ることや体感することで自分の理解を深めるというもともとの性格もありますが、児童養護施設でも生活する子どもたちと一緒に体験する機会を大切にしたり『まずやってみよう!』ということを言葉にして伝えていたので、言っている自分自身が誰よりも行動することが何よりも説得力があると思い行動したのだと考えています」 さらにこうした思いは「今も変わらない」といいます。 実際にスウェーデンに行き、ボランティア体験を通じて橋本さんは次のことを学びました。 「小学校には学童(フリーティス)が併設されており、遊びと学習の場となっている」「スウェーデンでは、共働き家庭が多いため、3年生以下の子どもの80%以上がフリーティスに通っている」「障害のあるなしにかかわらず、フリーティスを利用している」「子どもが通える社会資源があることで、女性もキャリアを積むことができ、家事や子育ての男女平等が無理なく実現できている」 当初は児童福祉について学ぼうと考えていたため、子どものことが中心でした。
障害福祉の仕事に携わるきっかけとなった女性
ボランティア体験での学び以上に、感銘を受けた出来事がありました。 それはスウェーデンを訪れたものの、住むところがなかった橋本さんを2ヶ月半ほど滞在させてくれた重度の障害のある女性の生き方。 彼女は言葉で伝えることや移動に困難さがあるものの、それをまったく感じさせない立ち振る舞いやチャレンジ精神があったといいます。 「伝えたいことはヘルパーさんの力を借りて納得いくまで伝えてくれたり、ほぼ家にいることがないほど毎日出かけたり。そして、障害を理由とせずにチャレンジしている姿に非常に感銘を受け、忘れかけていた何かを思い出した気持ちになりました」 この出会いが一番の収穫となり、これをきっかけに橋本さんの考えが変わります。それは、日本に戻ったら児童関係ではなく、障害福祉の仕事に携わること。 また、彼女の家に滞在中には多くの人を紹介してくれて意見交換をしたといいます。 「現地の人のライフスタイルや考え方、日本の文化に興味を持つ人も多く、改めて日本のことをもっと知る必要があることを感じました」と当時の気持ちを振り返りました。