「切り身1切れ」でOKの魚も! スーパーで手軽に買える「栄養価の高い魚」管理栄養士のおすすめ5選
最も「栄養の損失が少ない」食べ方は?
これらの魚の栄養を効率よく摂取するためには、いくつかのポイントや注意点が存在します。 魚の栄養素に特徴的なDHAやEPAは非常に酸化しやすい上、調理時に油や煮汁などに流れ出しやすく、加熱分解もしやすいです。数値にすると、焼き魚で約2割、揚げ物にすると約5割程度損失してしまいます。そのため、栄養素を重視するなら、魚を新鮮なうちに生のまま刺し身、すしで食べるのが、最も損失の少ない食べ方といえるでしょう。 揚げ物やグリルよりは、フライパン調理の方が損失率は少なくなります。そのため、フライパンでできるムニエルやホイル焼きなどの調理法もおすすめです。みそ汁のように汁ごと食べる料理は、流れ出た栄養素も摂取しやすいですね。 また、より手軽に魚を摂取したいときには、缶詰を常備しておくとよいです。塩分は高くなりますが、汁や骨ごと摂取できるため、カルシウムをはじめとする溶けだした栄養をたっぷり取ることができます。 サバ缶のカルシウム量を例にすると、100グラムあたり260ミリグラムあり、牛乳の含有量(110ミリグラム)よりも豊富です。小アジやイワシなどを骨ごと食べることでカルシウムを摂取したい場合は、揚げたり、骨がやわらかくなるまで煮たりする調理も必要です。 先述したように、魚にはDHAやEPAのオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれますが、これが含まれる自然の食材は「魚介類」か「野菜」です。魚を食べない食生活では、高確率でオメガ3系脂肪酸の不足に陥ります。さらに、卵や乳製品が不足している人やアレルギーがある人などは、魚全体に多く含まれるビタミンDやAが不足しやすいです。 栄養素の摂取効率や味の好み、食べやすい食材か、どの栄養素を重視したいか……なども含めて、上手に魚を利用してくださいね。
オトナンサー編集部