佐賀バルーナーズ クラブ代表・ヘッドコーチが語る「地域への恩返し」~田畠寿太郎社長、宮永雄太HCインタビュー~【バスケ】
クラブ設立は2018年。わずか5年で地域リーグからB1まで駆け上がってきた佐賀バルーナーズについて、田畠寿太郎社長は「多くの方の助けがあったからこそ」と語ります。その思いはクラブスタッフ、選手たちも同じで積極的に社会貢献活動を行っている現状があります。折に触れて「みんなに貢献していくことで、最終的にクラブにそれが返ってくる」と語るという田畠社長、そして選手時代に学んだ思いから自らも活動を積極的に行い、選手たちにも促す宮永雄太HCにお話を伺いました。 ※バルーナーズDAOについてはこちら:https://ballooners.jp/dao/system/
田畠寿太郎社長「少しずつでも恩返ししていきたい」
――クラブの社会貢献活動に対する方針を教えてください。 田畠)私が代表になったのが2021年で、クラブに関わり始めたのが2020年。ちょうどコロナ禍という中で、いくつかクリニックはやらせていただきましたが、地域貢献活動といってもなかなかできない状況でした。私がクラブビジョンとして掲げているのは「日常を佐賀バルーナーズにする」ということです。例えば家庭や職場での会話や食事のタイミングでバルーナーズの話が出る。そういう景色を目指してやっていきましょうと話をしています。また、自分たちは何のために働くのかということも毎回のように話をしています。 ――佐賀バルーナーズの特徴として、多くの地方自治体と連携して活動をされていますね 田畠)なぜ地域と連携するかというと、先ほど語ったビジョンにあります。自治体ごとに課題があるわけです。一緒に活動し、僕らができることをやっていく。我々としてはクラブを知ってもらい、ファンになってほしいという思いもありますし、地域に根ざしたクラブになるべく、一緒にやらせていただいているという状況です。 ――そういった活動が年間15万人という来場者を集める結果に導きました。ホームタウンである佐賀市を含めて、土地柄や住む方はどんな特徴があると捉えていますか? 田畠)東京に出ていた私が26歳の時に佐賀に戻ってきました。そういった経験も踏まえて感じるのは、やはり親切でやさしいということです。これは宮永HCも選手も口を揃えていうことです。住みやすいというのは非常にあると思います。暮らしやすいし、子育てもしやすい土地だと思います。 ――昨季、「バルーナーズDAO*」という画期的な試みをスタートさせました。どういう経緯で開始されたのでしょうか? *=DAOとは分散型自律組織の意味。ブロックチェーン技術を利用して管理される組織のことでトークンというデジタル資産を持つ参加者全員がルールに基づいて意思決定を行い、活動する 田畠)DAOはファンクラブや我々が主体的に発信するようなものと違い、分散型、自立型の組織でトークンの所有者がみんなで決めるという特徴があり、それが長所でもあります。僕らに地域文化に根付く活動をしなければならないという課題があるように、所有者が考える課題もあります。佐賀に関して、地域に関しての課題に対するアクションをみんなで決めて実行するため、僕らがやるものとは違った種類の活動になりやすいわけです。極端な例を挙げると、バスケットボールに興味はないけど、地域の課題に対して何かをしたいという方でもいいわけです。それでも、僕らの裾野を広げることにつながると思い、始めさせていただきました。