高さのあるヒップと細いウエストを作り世界選手権ビキニで初出場入賞 海外選手と並んで感じたこととは
12月16日~19日、『IFBB世界フィットネス選手権&男子ワールドカップ』が東京・有明コロシアムで行われ、ビキニフィットネス172cm以下級では善本富久美(よしもと・ふくみ/36)選手が4位入賞した。 【写真】善本富久美選手の丸いお尻
善本選手は『JBBFオールジャパンフィットネスチャンピオンシップス2024』(9月28日、岡山芸術創造劇場)が終わってから、世界選手権の準備を始めた。初めて出場する国際大会で、「何もわからないし、どういうふうに挑んでいいかわからなかった」というところからのスタートだ。 「まずは国際大会を一番経験されている安井友梨さんのパフォーマンスや身体に近づくことが近道だと思いました。そして海外の選手がどんな身体をしているのかインスタグラムでチェックしました」 善本選手が身体づくりで強化した点はウエストとお尻。 「世界で活躍している選手を見ていると明らかに体型が違います。ウエストはトレーニングと呼吸法で細くなるように、お尻の位置は上になるようにトレーニングしました。海外の選手はお尻の位置が日本人とは違うのです」 メンタル面も意識したという。 「基準は海外の選手なので、海外の人になりきらないと、と思いました。日本の選手は自信があるのに、なんとなく自信がなさそうに見えるのです。まず恥ずかしさを捨てて、いかになりきるか。『私はこうなの』という自信をつけるために劣っているところ、弱い部分を探しました。トレーニングをがんばってきたのだから、それをステージの一瞬で発揮するんだ、と思ってやっていました」 ビキニフィットネスはマスターズ35歳~39歳164cm超級が18日午後、同日夜に身長別が行われた。マスターズでは、ざっくりとしたタイムスケジュールしか決まっていない国際大会ならではのアクシデントがあった。 「もう最悪。カラーリングしている最中に招集がかかったのです。パンプアップも何もできていない、身体が張っていない状態でいきなりステージ上がって、と言われて。ステージに出て一瞬で終わってしまいました」 14人のエントリーがあったマスターズでは決勝審査に進む6人に残ることができなかった。 「ふがいないですよ。それで一回気持ちが落ちてしまって……。身長別172cm以下級ってもっと厳しいじゃないか、こっちも予選落ちか、と思ってしまいました」 国際大会の身長別は、海外の若くて強い選手が集まる激戦区。172cm以下級には22人のエントリーがあった。 「こうなったら逆に楽しもう、自分のできることしようと思いました。一回落ちて逆に吹っ切れました」 ここから善本選手の底力が発揮される。 「大会のステージや、バックステージでどういうふうな選手が評価されているかを見て、立ち方も全部まねしました。足幅や、海外っぽい雰囲気を感じたポーズです。とにかく外国人になりきろう、日本人だと思われたらだめだと思いました」 善本選手は鈴木雅コーチ(2016年世界選手権優勝、日本選手のコーチを務める)に声をかけた。 「バックステージで鈴木雅コーチに『肋骨の締め方、即興でできるトレーニングって何かないですか』って聞きました。すぐに教えてもらってバックステージでひたすらそのトレーニングをしました。そしたらコンディションが上がってきたのです。脚がしっかり立てるようになって、腹筋が入るようになり、いい感じに身体が温まってきました。自分の中で今までとは全く違う感覚がありました」 善本選手が感じた感覚は本物だった。身長別では15人に絞られた中に入り、さらにファーストコール(上位に入りそうな選手が前に呼ばれる)にも入った。そして決勝審査の6人に残った。 「ファーストコールで呼ばれたときは『まじで?ほんまに?』って感じでした。決勝はやるしかない、堂々といこうと思いました」