佐賀バルーナーズ クラブ代表・ヘッドコーチが語る「地域への恩返し」~田畠寿太郎社長、宮永雄太HCインタビュー~【バスケ】
宮永雄太ヘッドコーチ「同じ志を持っている選手が集まってきてくれている」
――2018年に設立してすでにB1で戦っているということは驚くべきことだと思います。一方で地域に根ざすクラブとして社会貢献活動も重視しているのでしょうか? 宮永)そうですね。私自身、現役時代に千葉ジェッツに3年間在籍していました。その時の代表が島田慎二チェアマンで、地域に対してどういう思いを持ち、どういう行動が必要かということを本当に勉強させていただきました。私の中にもその思いは強く残っていますし、田畠社長も同じ思いを持っている方です。そういった環境ですので、社会貢献活動もとても大切にしています。 ――そういう思いもあって、HC自ら積極的に社会貢献活動に参加されているわけですね。 宮永)そうですね。子供たちとバスケットボールで触れ合う機会も多く設けていますが、企業の皆様にお話をする機会もすごく増えてきました。まだ設立して間もないクラブである佐賀バルーナーズがどのようにB1に挑戦しているか、そういったことをお話させてもらっています。 ――井上選手を始め、選手の皆さんが高い意識を持っているように思います。宮永HCも強い思いを持っていらっしゃるとおっしゃっていましたが、クラブとしていい方向に向かっているという印象でしょうか。 宮永)そうですね。選手たちとは契約の話をする際に、自分たちが何を大事にしているのかというのはしっかり伝えています。それを受けて、同じ志を持っている選手が集まってきてくれていると思っています。その中でも井上選手は、そういう面でも引っ張っていってくれていると思います。
――宮永HCが要職に就任されたのが2011年でした。3年間の中で感じた佐賀の方の特徴、魅力とはどんなところでしょうか? 宮永)すごくやさしくて温かいですね。これは共通して言えることだと思います。佐賀県という場所は、他に比べるとあまり娯楽やエンターテイメントがありません。そのような土地にバルーナーズというクラブができ、SAGAアリーナという大きなアリーナ、空間が生まれたということを皆さんが楽しんでくれていると感じていますので、今後も続けていきたいと思います。 ――プロクラブとして、社会貢献活動をする意義とは何でしょうか? 宮永)やはり皆さんからご支援をいただき、成り立っているわけです。そこが土台だと思いますし、我々のような地方クラブにとってそこはとても大切だと思いますので、今後もその思いで活動していきたいという思いがあります。 ――大切にする地域という中で、若い子供たちに与える影響は大きいと思います。どんなメッセージやエネルギーを受け取ってほしいでしょうか? 宮永)なかなか言葉で表現するのが難しいですね。一番大事なのは、直接肌で感じてもらうことだと思います。我々の選手が学校を回って一緒にバスケットボールをやっている中で、その選手たちがSAGAアリーナで活躍しているシーンを見ている中で得られるものがあると思います。そういったものを提供し続けていきたいです。 ――B1初年度の昨季は合計15万人という来場者となりました(平均5,061名はB1クラブ中5位)。これだけの数字を記録できたのも、オフコート活動あってこそということでしょうか? 宮永)そうだと強く感じます。学校や企業を訪問し、街中で歩いている際にも「試合がおもしろかったよ」といった声をいただきます。そういった活動を地道に続けてきたからこそだと思いますし、アリーナでの体験をもっともっと魅力あるものにしていきたいと思います。