「荒れているクラスは教室が汚い」元中学教師が痛感した、“散らかった部屋”が子どもに与える悪影響
こんにちは。片付けについて発信しているありママです。 前回は、リビングがいつまでも片付かない原因と解決法について解説しました。 【前回の記事はこちら】「いつまでも片付かない家」に共通する“リビングの特徴”とは? 片付けのプロが指摘する、今すぐ見直すべきこと リビングが散らかっていると、子どもにとってあまり良い影響はありません。今回は、教師時代の経験をもとに、その理由について考察したので参考になると幸いです。
1.割れ窓理論で散らかる
教師時代、教室の整備は必要不可欠でした。初任者の時から、「荒れるクラスの兆候は教室環境に出てくる」と言われ続けたからです。 ほとんどの教員は生徒が帰った後に、机と椅子の位置をそろえたり、黒板をきれいにしたり、掲示物に破れや落書きがないか確認していました。もちろん生徒にもそれらを意識してやってもらうよう、声かけをしていました。 これは「割れ窓理論」といって、1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスは増え、いずれ全体が荒廃してしまうというアメリカの犯罪学者が提唱した理論です。 もし、黒板に落書きが1つでもあれば、落書きは増えていきますし、掲示物に破れや汚れがあったり教室にゴミが落ちていると、「少しくらいルールを破っても誰も気にしない」という心理が芽生え、徐々に悪化していってしまいます。なので、少しの乱れを初期段階で気づき、整備していくことで問題行動の未然に防止することを心掛けていました。 学校だけではなく、これは家庭でも同じだと思います。散らかっていたり、ゴミが落ちていたり、机の上が乱雑であったりすると、それは最初はちょっとした散らかりだったかもしれませんが、あっと言う間にひどくなってきます。子どもは「お母さんやお父さんがここにモノを置いているのだからいいんだ……」と純粋に認識してしまい、それが子どもの“常識”になってしまいます。散らかっているのだから、さらに散らかしても罪悪感はなく、子どもはどんどん散らかしてしまい、色々なことが乱雑になってしまいます。そうならないためにも、学校でルールがあるように、家でもルールをつくって、家族みんなで守っていくことが大切です。 「家だからなんでもOK」ではなく、家族という集団で暮らすのだから、みんながストレスなく過ごせるようにルールは設けるべき。特にリビングは、家族全員が過ごす空間です。お互いが心地良い空間でありたいと伝え、一緒にルールを作ってみてください。 例えば、 ・ゴミはきちんとゴミ箱に捨てる ・勉強した後は机の上を片付ける ・おもちゃは出したら定位置にしまう ・自分のモノは寝る前に自分の部屋に持っていく などの決まり事をつくって、一緒に実践してみましょう。 子どもにだけ守らせて親ができていないと、説得力はまったくありません。まずは親が行動で示していきましょう。決まり事を定着させるのには時間がかかりますが、継続していくことで徐々に習慣になり身についてきます。子どもは環境で変わってきます。