プレミアリーグとの2冠狙う大津は3回戦で流経大柏とのビッグマッチ。「一歩も引かないように」「しっかりチャレンジしたい」
[12.31 選手権2回戦 札幌大谷高 1-2大津高 柏の葉] 24年プレミアリーグファイナル優勝の大津高(熊本)が、プレミア勢対決となる3回戦へ進出した。前半から最前線のプレミアリーグWEST得点王FW山下景司(3年)と184cmMF兼松将(3年)を活用しながら分厚い攻撃。山城朋大監督は「なかなか点は入らなかったですけど、いい形でシュートまで行くシーンもあったので、とにかく継続してやり続けることが鍵になるかなと思っていました」。そして、後半11分、MF嶋本悠大(3年、清水内定)の高精度CKから先制点を奪う。 【写真】なでしこDF北川ひかるが母と韓国旅行「とてつもなく美人」「モデル?」「アップ、めちゃカワ」 さらに20分、MF舛井悠悟(3年)の縦突破とクロスから嶋本が追加点をマーク。山城監督はハーフタイムに「(前半、)ラストパスが合ってない部分があったので、もうちょっとゴール前のところは最後一工夫をやって欲しいなっていう話をして、舛井のところもアバウトなボールを入れるタイミングもいいけど、見れるところはしっかり人を見てパスを出してくれ、っていうことは言っていました」という。その指示通りのプレーを選手たちが表現し、札幌大谷を突き放した。 後半37分には、舛井がPKを獲得。山下のPKを止められて3点目を奪えず、逆に試合終了間際に今大会初失点を喫してしまった。それでも、全体的に対策通りの安定した守備も見せて勝利。山城監督は「いい形で点が取れて、ちょっと最後にPK外したりとか、余計な失点があって、ツメの甘さがありましたけれど、(力のある札幌大谷を)上手く乗り越えられて良かったかなと思います」と頷いていた。 大津は今季、高体連チームとして初めてプレミアリーグWEST優勝。さらに、プレミアリーグEAST優勝の横浜FCユースとのプレミアリーグファイナルを3-0で制し、高体連チームでは流通経済大柏高(千葉、2013年)、青森山田高(青森、2016、2019、2023年)に続く“高校年代真の日本一”に輝いた。嶋本やCB五嶋夏生主将(3年)ら下級生時からの主力を半数残していることは確かだが、熊本の公立校が課題を一つ一つクリアしながら個性とチーム力を磨き上げて快挙を達成。五嶋が「(サブ組の選手も含めて)全員が試合に出たいっていう思いを持って取り組めてるっていうのが今年のチームの良さですし、優勝にも繋がったかなっていう風に思います」と説明する姿勢も優勝の原動力だった。 今大会の優勝候補に挙げられている大津の3回戦の対戦相手は、プレミアリーグ優勝を経験している名門・流経大柏だ。この日の初戦で九州の強豪、佐賀東高(佐賀)に5-0で快勝。24年度プレミアリーグEASTでは開幕7試合を5勝2分で首位を快走するなど、最終的に高体連チーム最上位の4位に食い込んでいる。 山城監督はリーグ戦序盤から強さを見せていた流経大柏について、「どういう試合をしているんだろう」とチェック。「凄く力のあるチームっていうのは1年間通して見てきましたし、僕ももう全員の名前言えるぐらい、流経の選手の試合を何回も見てきました。(3回戦は)とにかく楽しみゲームかなと思いますし、やっぱり日本一を取る上でそこを越えないといけないっていうのは、組み合わせが決まった時点で1番目についたもちろん場所でもあるので、調子の良さそうな相手ですので、柚木(創)君と亀田(歩夢)君、粕谷(悠)君……色々(好選手が)いますけれどしっかり真っ向勝負で戦っていきたいなと思います」と語った。 Jクラブユース相手にも一歩も引かずに主導権を握るような戦いをしていた流経大柏から、学びながら見る機会が多かったのだという。その強敵との大一番へ向け、山城監督は「(プレミアリーグ)EASTの方がこう(良さを)消し合うっていうのはよく聞きますけど、かと言ってWESTが下という風には思っていないので。次は消し合いになるのかなと思いますけど、タスク含めたセットプレーとか、そういった部分で一歩も引かないように意識したい」とコメントした。 流経大柏の榎本雅大監督は今季、「毎日を大事にしながら、日々のリーグ戦っていうのでもしっかり勝ち切る。サッカーの内容でも勝ち切る」ことを目指してきたという。その指揮官が「毎回紅白戦は下手したら週末のゲームより厳しいんじゃないかなっていうゲームをやってますんで」と説明するような日々の競争。そこで力をつけてきた選手が、プレミアリーグで強さを示し、選手権初戦でも躍動した。 富山内定MF亀田歩夢(3年)や湘南内定FW松本果成(3年)をはじめ、大津同様に激しい競争で力をつけてきたタレントがズラリ。榎本監督も「(大津と3回戦で対戦する可能性のある)組み合わせ見た時に、物凄い選手喜んでたんで、どうしてもやってみたい相手だって。そういう部分では楽しみにしています」と大津との対戦を心待ちにしていた。 プレミアリーグとの2冠を狙う大津の選手たちは、気合十分。GK坊野雄大(3年)が「大津は(伝統的に)トーナメントちょっと弱いっていうのがある中で、今年はプレミアも優勝して、必ずこの選手権も全国制覇して2冠取りたいなと思います」と誓ったように、プレミアリーグ初制覇で歴史を変えた世代は、どんな相手にも負けるつもりはない。 また、嶋本は流経大柏の注目選手にU-17日本高校選抜でチームメートだったMF柚木創(3年)の名を挙げ、「チームにいてほんとに頼もしい選手っていう印象が大きい」とコメント。そして、「いい相手とこの大会でできるっていうのを本当感謝して、受け身にならずにしっかりチャレンジしていきたいなと思います」と意気込んだ。ビッグマッチを制し、悲願の選手権初優勝、プレミアリーグとの2冠達成へまた一歩前進する。