【大学トレンド】「マンガ学部」「マンガ学科」…大学で学ぶ意義は? 気になる卒業後の進路は…
卒業後の進路はさまざま
東京工芸大学のマンガ学科には、多くの学生がプロのマンガ家やイラストレーターを目指して入学しています。夢来鳥教授によると、遠藤さんのように在学中から出版社に作品を持ち込み、デビューする学生は決して珍しくありません。もちろん卒業後、企業で働きながらマンガを描き続ける人もいれば、マンガは趣味と割り切って仕事にはしない人もいます。 「私がここの教員になった2010年ごろは『プロのマンガ家を目指すなら就職したら負け』の雰囲気がありましたが、今は学生の意識が変わっています。就職して生活の基盤を築いたうえで、マンガ家を目指す学生が増えているように感じます」(夢来鳥教授) 卒業後は、出版社などマンガ関連の仕事に限らず、クリエイティブな創造力を生かしてさまざまな企業で活躍します。 「マンガ制作というのは、1人で何役も担うような作業です。ストーリーを考えて、絵を描き、それを1つにまとめます。そうした能力を生かしてアニメやキャラクター、ゲーム、アプリの制作、CM制作、イベント企画など制作系の会社に就職する学生が多いです」(夢来鳥教授) 日本文化として定着しているマンガを大学で教えることについて、夢来鳥教授は「責任を感じる」と話します。 「伝統を大事にしつつ、最新の技術を取り入れた指導で、学生の可能性を広げていきたいです」 さらに、独立した学部学科やコースでなくても、メディア文化論などの講義で、マンガは数多く取り上げられています。日本を代表するポップカルチャーとして、マンガは世界から注目を浴びています。大学でマンガを学ぶことは珍しいことではなくなっていて、現代の貴重な日本文化としての研究分野になってきています。
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