なぜRIZIN連敗を喫した平本蓮は朝倉未来の「まだまだ話にならない」のツイートに「オレの方が強い」と反論したのか?
PPV配信をメインにした総合格闘技イベント「RIZIN LANDMARK vol.2」が6日、都内で行われ、元K-1王者の平本蓮(23、ルーファスポーツ)が初代KNOCK OUT-BLACK王者の鈴木千裕(22、クロスポイント吉祥寺)に0-3判定で完敗した。2020年大晦日の萩原京平(26、SMOKER GYM)戦に続く連敗にも平本は「こんなんで終われない。誰よりも強くなって見せる」と吠えた。平本は、なぜ敗れたのか。単なる“SNS番長”なのか。それとも…。
“二刀流”鈴木千裕に0-3判定で完敗
完敗だった。左目をドス黒く腫らした平本は、0-3の判定結果を聞いても、すぐさま控室に下がらなかった。鈴木の勝利者インタビューをコーナーで聞き、続けてマイクを持ち、静かな口調で吠えた。 「負けました…でも負けていない。またすぐやります。死ぬ気でやってきたので後悔はない。もう一回這い上がる」 だが、リングを降りる際には目に悔し涙を浮かべた。 K-1甲子園2014の王者からMMAの舞台に戦いの場を移した2020年の大晦日に萩原京平とのRIZINデビュー戦で敗れ米国へ修行に出た。Bellator世界バンタム級王者セルジオ・ペティスらのいるジムでトレーニングを積み、ペティスとRIZINバンタム級王者堀口恭司のタイトル戦ではセコンドにもついた。その間、朝倉未来(29、トライフォース赤坂)とはツイッター上でのバトルを演じるなど、この1年3か月の空白は、ファンの間で、平本像を必要以上に誇大化させていた。 だが、リングに上がった平本の動きは固かった。反応が鈍い。最短距離から放つワンツーでプレスをかけ、得意の打撃戦になったが、逆に「そこが空いていた」という鈴木に右のストレートのカウンターをクリーンヒットされ、膝がガクっと落ちた。倒れてしまわないところが平本の非凡さなのだろうが、さらに左右フックの連打で揺さぶられ、みるみる顔が腫れ始めた。そして投げ飛ばされテイクダウンを取られた。 実は、鈴木にも異変が起きていた。拳部分が薄いオープンフィンガーのグローブで強打したため両手の拳を「骨折した」というほどのダメージを負ってしまったのだ。 だが、そのピンチをチャンスに変える対応力が、MMAのパンクラスとキックのノックアウトのリングで二刀流を実践してきた鈴木にはあった。 「痛くて力が抜けちゃうんでね。言い訳になるが全力でやった」 打撃での応戦はあえて封印し、平本の長所を消しにいったのである。