「脳の老化」は30代から始まる? 若々しい脳でいるための秘訣とは
脳の老化は高齢になってから起きるわけではなく、通常30代から少しずつ萎縮が始まるそう。脳科学的には、加齢=老化ではないということ。 【写真】今すぐにやめて!実年齢より見た目が老ける6つの悪習慣 「もしそのままなんの対策もせずにいると、脳の老化、つまり老人脳になっていくのです」 そう話すのはテレビやメディアにも多数出演する脳科学者・西 剛志先生。 ▼西 剛志(にし・たけゆき)先生 東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演
体にとっても脳にとっても、「若づくり」はいいこと尽くし
「自分の若い時代に戻ったような感覚や自分は若いと思うことは、脳にとてもいい刺激をもたらします。若く見えるようにしただけで、血圧まで下がったという実験もあります。年配の人が若づくりをしていると、“あの人は年齢も考えず若づくりしていて恥ずかしい”なんてことを言う人もいますが、体にとっても脳にとっても、若づくりはいい方向に作用します。脳内のイメージを変化させ、それによって生理的反応(体内で起こる化学過程)にまで影響があり、健康状態がよりよくなっていくのです」 さらに、見た目年齢は血管年齢にも関係していると言われているんだとか。見た目が若い人は79%の人が実年齢より血管年齢が若かったというデータもある。
若返り遺伝子を呼び起こす、7つのスーパー栄養素
「どの栄養素がいいのかを選ぶうえで、私がとくに注目しているのが若返り遺伝子として有名なサーチェイン遺伝子です。それを活性化させる栄養素が7つあります」 1. ナイアシン 「かなり強くサーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素です。とくにかつお節に多く含まれています。ほかにはマイタケ、たらこなどにも含まれます」 2. エラグ酸 「ポリフェノールの一種でイチゴやブラックベリーに含まれます。ほかにクランベリーやザクロにも含まれ、美白効果もあります」 3. レスベラトロール 「ワインなどに含まれるポリフェノールの一種です。ただ、推奨摂取量が非現実的ですので摂るならばサプリメントになります」 4. プテロスチルベン 「ブルーベリー、オメガ3系の油、青魚、マグロのトロなどに含まれます。これもかなりの量が必要なので、食材だけから摂るのは現実的ではありません。現在はサプリメントなども販売されています」 5. EPA、DHA 「すでに一般化されていますが、サバやアジなどの青魚に多く含まれていて、頭がよくなる脂と言われています。1日に5gの摂取が必要です。ほかにはオメガ3系の油、ブリ、ウナギ、あん肝などにもかなりの量が含まれています。大ブームになったサバの水煮缶もいいですね。“老化を遅らせたければ魚も食べなさい”この言葉を覚えておいてください」 6. ビタミンC 「1日1g、ビタミンCを摂取すると若返り遺伝子が活性化することがわかっています。ビタミンCの摂取でおすすめしたいのはアセロラです。アセロラはビタミンCの含有量がかなり多い果物です 」 7. ビタミンD 「ビタミンDとして、キノコ類に含まれるビタミンD2が有名ですが、あん肝、しらす干し、イクラ、ウナギなど、魚介類の脂の中に多く含まれるビタミンD3により効果があります」 この7つの栄養素を食生活やサプリメントなどでうまく取り入れていくことで若返り遺伝子を活性化させ、老化を予防することができる。