綿100%にリニューアル! 無印良品の「あったか綿インナー」は何が違うのか
以前、無印良品の夏場のヒット商品として「さらっと綿インナー」を紹介した。そのときに明らかになったのは、圧倒的な「綿」への信頼だった。そして今季は、冬場のアイテムである「あったか綿インナー」がアップデートし、「今年は綿100%のやわらかな肌あたり」というフレーズが掲げられた。 「綿100%」。これこそ、同社の理念を反映し、生活者がもっとも期待しているものではないだろうか。そこで同社衣服・雑貨部の高垣伊織さんと産地開発部の小山田亮さんに、あらためて「綿」の力についてお話を伺い、「あったか綿インナー」の魅力について語っていただいた。
「綿」の素晴らしさを伝える
ーあったか綿インナーの開発背景を教えてください。 高垣: 2011年から発熱インナーの販売をスタートさせました。当時は5品番ほどありましたが、無印良品の季節インナーを代表するようなアイテムにまで成長させることができませんでした。そこで、2022年に秋冬向けインナーの看板商品として「あったか綿シリーズ」を販売し、綿の素晴らしさを伝えていく方向に転換しました。 無印良品の衣料品では綿や麻などの天然素材を使用したアイテムも多く、天然素材は弊社の強みであるとも言えます。お客様からの支持も高く、肌着の基本素材である綿の特徴を最大限に生かしていこうと開発を進めてきました。 一般的な機能性インナーは合成繊維が多く、また市場も競争が激しいのですが、当社は天然繊維の綿で市場を拡大できればと考えています。 ーあらためて、綿の素晴らしさを教えてください。 小山田: 綿は古代から使われていて、私たちに大変馴染みのある素材となります。その綿が持つ機能としては、吸水性や吸湿性、中空構造による保温性、弾力性、伸張性、生分解性と挙げればきりがありません。 綿は合繊繊維と比較して肌に優しいという側面があります。一方、皮脂は肌の乾燥を防ぐ役割を果たしています。合繊繊維は皮脂とくっつきやすい性質を持つため、肌に必要な油分を吸い取ってしまい、肌が乾燥しやすくなります。また、綿は合繊に比べて水分を含むため、しっとりとした肌ざわりであり、肌かゆみの原因の1つとなる静電気が起きにくいのも特徴です。