《侍ジャパン》試合直前に「大盛りの丼2つ&大盛りラーメン」ついたあだ名は宇宙人…球界の愛されキャラ・紅林弘太郎「マイペース伝説」
暴走でボーンヘッドをかまし、満塁のチャンスではゲッツーを打ってファンを落胆させたかと思いきや、颯爽と好守備を見せ、最終打席では粘り強いタイムリーを放つ――。WBSC世界野球プレミア12で何かと野球ファンの注目を集めるのが、オリックス・バファローズの紅林弘太郎内野手(22歳)だ。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 佐々木朗希や宮城大弥、森下暢仁らが揃い、豊作といわれた2019年ドラフトにおいて静岡県立駿河総合高校から2位で入団。187cm・94kgと恵まれた体格で、デビュー2年目からリーグ3連覇のチームの正遊撃手として活躍し続ける貴重な大型ショートだ。日本シリーズの通算成績は3割3分3厘、今季はシーズン中に3回のサヨナラを演出するなど、勝負強いバッティングが持ち味の“お祭り男”でもある。 だが、バッターボックスで見せる鋭いまなざしとは打って変わって、本人はのほほんとした愛されキャラ。独自の世界観を見せる“不思議ちゃん”を、チームメイトやファンは愛情をこめて「宇宙人」と呼ぶ。 前編記事『「(岸田監督は)肌がきれいで、スベスベ」丸刈り事件に“セルフ降格”…球界の愛されキャラ・紅林弘太郎「天然すぎる珍行動」』より続く。
「能見さん、ヒョロいですよね」
監督だろうが先輩であろうが、臆することなく自分のペースを保ち続ける姿には大物感が漂っている。選手寮に在籍していた時期には、球場へのタクシー移動中に先輩と同乗しているにもかかわらず、オリックスの選手たちの応援歌をなぜか大熱唱。 緊張感で張り詰める試合前のロッカーでも、宗佑磨の頭を叩いてみたりとちょっかいをかけ、後輩には足の臭いを嗅がせ、腰にタオルを巻いただけの格好で素振りをするなど自由奔放に日々過ごしている。 ある日のMBSのインタビューでは、能見篤史が紅林から相談を受けたときの衝撃を語っていた。能見がまだ現役だったころ、紅林がふらりとやってきて「能見さん、僕も長く野球したいんですけど、長くされている方ってヒョロいですよね」と真剣に質問をしてきたという。 スリムな能見に倣って自己管理をしなければとの意図からなされた質問だったが、表現がまずかった。しかも、当の本人はその話を全く覚えておらず「いやー無神経ですね(笑)」と、過去の自分に呆れる始末だ。 とにかく細かいことは気にしない性質。打席に入るときの登場曲も、先輩たちに内緒で「Dr.スランプ アラレちゃん」「クレヨンしんちゃん」「アルプスの少女ハイジ」など好き放題に変更されているが、本人は「あんまり気にならないですね。『なんか、変わってるなあ~』って感じです」と全く意に介さず。緊迫した場面でも、朗らかな曲に合わせて真剣な面持ちで素振りをしているのが、なんだか憎めない。