今日W杯予選。なぜ久保建英はビジャレアル移籍を「失敗だった」と語ったのか
自らにベクトルを向けながら、満足できる結果を残せなかった戦いの軌跡を客観的な、なおかつ俯瞰的な視線を介して総括する姿はとても19歳とは思えない。 日本代表に招集されているMF久保建英(ヘタフェ)が、千葉県内で行われている合宿4日目の27日に実施されたオンライン取材に対応。今年1月に期限付き移籍先を変えた今シーズンのうち、特にビジャレアルに所属した前半戦を「結果論ですけど、チーム選びから失敗してしまい、苦しいシーズンになりました」と位置づけた。 「スタメン争いに負けたというのもありますけど、自分が思っていた状況とはちょっと違ったというのもありました。いろいろな話があったなかでビジャレアルが一番いいと思って選びましたけど、その選択が間違いだったと。特に深い意味はないですけど」 FC東京から2019年6月にレアル・マドリードへ完全移籍した久保は、同8月下旬にマジョルカへ期限付き移籍。35試合に出場して4ゴール4アシストをマークするなど、2部降格を喫したチームで、特に後半戦は右サイドで代役のきかない存在感を放った。 迎えた2020-21シーズン。再び期限付き移籍して武者修行を積む久保の新天地候補として、スペイン国内外のさまざまなクラブの名前が飛び交ったなかで選んだのは、前シーズンのラ・リーガ1部を5位で終えていたビジャレアルだった。 しかし、UEFAヨーロッパリーグこそ先発したものの、ラ・リーガ1部では途中出場が大半を占めた。昨年12月中旬からはピッチにすら立てない状況が続いたなかで、今年1月8日にビジャレアル退団とヘタフェへの期限付き移籍が発表された。 ビジャレアルを率いるウナイ・エメリ監督との話し合いで、退団を志願した久保は「ビジャレアルではなく、他の選択肢もあったのかなと」と昨夏の選択を振り返った。 「自信を持って行きましたけど、結局、自分に至らないところがあった。その意味で見誤ったというか、総合的に自分の選択は失敗だったということ。それぞれの選手に違った強みがあり、監督の好みもあり、チームとしての戦術もあるなかで、総合的に評価された選手が試合に出る。自分より上がいると、あらためて思いました」 ビジャレアルでは得点ランク2位タイに入ったスペイン代表ジェラール・モレノが、絶対的な存在として右サイドまたはトップ下に君臨した。さらに爆発的なスピードを誇るナイジェリア代表サムエル・チュクウェゼと2番手を争っていた右サイドには、開幕後にアカデミーから昇格した18歳、ジェレミ・ピノが台頭してきた。