「無所属」で代表招集の浅野拓磨が複雑胸中語る「欧州5大リーグに戻るのが目標。100%の取り組みが自分の未来につながる」
セルビアの強豪パルチザンとの契約を自らの意思で解除し、新天地が決まらないなかで異例となる「無所属」で日本代表に招集されたFW浅野拓磨(26)が24日、代表合宿初日の練習前に実施されたオンライン取材に応じた。 浅野は今月2日に自身の公式ラインブログを更新。そのなかで「クラブによる度重なる給与等の未払い、またそれに対する不誠実な対応によりクラブからのリスペクトを感じられなくなってしまった」と、パルチザンを電撃退団した理由を明かした。 以来、沈黙を守ったまま、28日のミャンマー代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選(フクダ電子アリーナ)へ向けて始動した。 「経緯は自分から(ブログに)出させてもらった通りで、チームと給料の部分で問題がありました。僕自身もいろいろ悩みましたけど、あのような形で解除となりました」 パルチザンが「契約条項に違反する、根拠のない退団」と法廷闘争を含めた徹底抗戦を表明したなかで、沈黙を貫いてきた浅野はブログに綴った退団理由をあらためて説明。その上で所属クラブがない現状に対する胸中を明かした。 「こういう状況はあまりなく、周囲には戸惑っている方も多くいると思います。ただ、僕自身はあまり気にしていないというか。自分の次のキャリアへ向けても、今回の代表戦はすごく大事な活動になってくるのでまずは全力で戦う。次(のクラブ)に関してはまだ何も決まっていませんが、早くいいスタートを切れればと思っています」 パルチザンで2シーズン目を終えようとしていた浅野は、自慢のスピードを武器にチームで最多、リーグ全体でも最終的に2位タイとなる18ゴールをあげていた。 日本時間26日未明にはリーグ戦で4連覇を達成した、宿敵レッドスター・ベオグラードとの国内カップ決勝も控えている。それだけにアシストも8を記録していた得点源の突然の退団は、セルビア以外のヨーロッパ各国でも注目された。 たとえばトルコリーグを6度制した実績をもつ、トラブゾンスポルへの加入が合意に達したと9日付で報じた同国の日刊紙『Karadeniz』は、南西部のリゾート地アンタルヤでオフを取っていると浅野の近況を伝えていた。 しかし、実情はまったく違った。