孫×100歳のおじいちゃんYouTubeが人気!「高校1年生で両親が他界。祖父と兄の3人暮らしを振り返って」
秀介 そこがすごいよな。だから兄貴が18歳からお金の管理をしてた。でも僕が高校2年生で留年しちゃって……。その時、兄貴が1年分の学費113万円をテーブルに並べて僕に数えさせた。10万円ごとに、「これがあったらあれができた、これもできた」とか言うんだ。 最後に、「お父さんとお母さんが遺してくれた大切なお金を、お前はこれだけ無駄にしたんだ」と言われて、悪いことしたなと思ったよ。それを黙って見てたじいちゃんはひと言、「頑張れよ、恥ずかしいよ」って。言葉は少なかったけれど、痛烈に覚えてるよ。 廣喜 みんなそれぞれに考えを持っているからあまり言わなかった。信じていたから。 秀介 兄貴が就職して家を出てからは二人暮らし。と言っても、2階で過ごす僕は昼に起きて大学のサークルでダンスして、夜はバイト。ただの同居人みたいな感じだった。1階でたまたま会ったら「お、久しぶり」って。 廣喜 そうだった。あんまり見かけなかったなあ。 秀介 在学中に僕はNSC(吉本総合芸能学院)に通い始めた。「就活のネタになれば」という軽い気持ちだったけれど、コンビを組んで活動を始めるとだんだんのめり込んでいって。じいちゃんは僕がお笑いをやることには反対だったんでしょう。 廣喜 反対というような反対はしなかったと思うけれど、いい大学を出たのに、なんで会社に入って働かないんだと思った。 秀介 でも、最終的にじいちゃんは、「道は、人が歩かないとできない。何もないところを歩いたとしても、振り返ればそこはもう道になっている。どんな道を作ってもいいけれど、自分のやりたいこと以外やるな」って言ってくれた。大丈夫、応援しているよと僕には聞こえたよ。 廣喜 自分が好きでやるのだから、責任を持てる仕事をしなさい、という気持ちだった。 秀介 NSCの同期には、ゆりやんレトリィバァやおばたのお兄さんなど才能あるやつらが集まっていたけれど、負ける気はしなかった。でも、コロナ禍に突入してから、劇場に立てずに収入を断たれてしまって……。 (構成=樋田敦子、撮影=宮崎貢司)
芦名秀介,芦名慶喜
【関連記事】
- 【後編】孫×100歳のおじいちゃん「要介護3の祖父と、吉本興業を辞めた孫。持ちつ持たれつの二人暮らしが楽しい理由」
- 大村崑、92歳。妻の勧めで86歳から筋トレ開始。芝居の「見て盗む」力が役立った。心から「元気ハツラツ!」と言える喜び
- 加賀まりこ×内田有紀「しがみつく過去はないが80の壁は手怖い。17歳のあなたに〈あ、この子、合うわ〉って思った」
- 素手で握ったおにぎりが食べられない孫と、他人が作った和え物は食べられない嫁。母のおにぎりを懐かしみ、最近の潔癖主義に感じる一抹の寂しさ
- 紫苑72歳・年金月5万円生活 65歳で購入した築40年の一軒家の価格とは?「家賃からの解放」という安堵を得て感じていること【2023編集部セレクション】