大人気!ハリー・ウィンストンの「リリークラスター」で考える ダイヤモンドコーデの正解
■Style1:ダイヤモンドは「魅力ミックス」で際立つ
ダイヤモンドの魅力は大きく分けて2つある。「透明感」と「輝き」だ。Style1では、この2つをミックスするコーディネートを提案したい。 具体的には、透明感に秀でたエメラルドカット・ダイヤモンドと、まばゆい輝きを放つラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドのジュエリーを組み合わせていく。単純に思えるかもしれないが、ダイヤモンドがわかっているからこそできるコーディネートだ。 ラウンド・ブリリアントカットのダイヤモンドジュエリーは、すでに持っている人も多いだろう。エメラルドカット・ダイヤモンドをプラスすることで、それをまた生かすことができる。
■凛とした美しさ エメラルドカットの魅力
「エメラルドカット」はその名の通り、エメラルドのために開発されたカットで、長方形の四隅を落とした八角形のフォルムをしている。石の外周に対して平行の、階段状のファセット(切子面)によって得られる静謐(せいひつ)なきらめきを特徴とし、澄んだ水のような透明感が最大の魅力といえる。理知的なキャリア女性にぜひ選んでほしいダイヤモンドだ。 ただし、このカットは石自体の色、内包物やキズが目立つため、カラー、クラリティともに高グレードのダイヤモンドにしか施すことができない。つまり、このカットにされている時点で品質的に認められたダイヤモンドだという証でもある。 その気品に満ちた美しさは、これまで王侯貴族やジュエリーに一家言ある女性たちを魅了してきた。なかでもモナコ公国のグレース・ケリー公妃が、婚約指輪にエメラルドカット・ダイヤモンドを選んだことはよく知られている。ハリウッドでクールビューティーとたたえられた公妃と、凛(りん)としたたたずまいのダイヤモンドは、なんて相性がよいのだろう。知的でエレガントだった公妃と、働く女性の理想像は、その実、近しいように思えてならない。
■透明感と輝きをもたらすダイヤモンドを組み合わせて
顔の近くで目立つイヤスタッズ(ピアス)とソリティアリングは、透明感にあふれたエメラルドカットを選択。それにラウンド・ブリリアントカットのエタニティリングとネックレス、ブレスレットで輝きをプラスしていく。選ぶジュエリーはすべて、流行に左右されないシンプルなものを。一生ものだからこそ、予約をして待ってでも納得のいくものを手に入れてほしい。 Style1のダイヤモンドジュエリーのなかで、どのジュエラーでもそろうわけではないのが、エメラルドカット・ダイヤモンドのイヤスタッズだ。エメラルドカットはラウンドカットほどの数が市場に出ていない。ほぼ同じ大きさ、同じクオリティーの石を2つそろえるには、まず豊富なストックが必要になる。 それを持っているのは、間違いなく「ダイヤモンドジュエラー」だろう。ここでいうダイヤモンドジュエラーとは、ダイヤモンド専門店という意味ではなく、高品質のダイヤモンドを安定的に入手できるルートを持ち、創業からその美しさを生かすデザイン、技術を磨いてきたブランドを指す。 このイヤスタッズに用いられている金属は、最小限の使用で強度を保てるプラチナ。ごく小さな爪でセッティングされ、横からも石に十分な光が入るつくりになっている。 ここで少し、ラウンド・ブリリアントカットの話もしておこう。それは研磨技術が進歩した20世紀に入ってようやく完成した、ダイヤモンドを最高に輝かせるカットだ。通常、58面のファセットがあり、それがすべて正しい角度でつけられていれば、石の内部に取り込まれた光は、全反射して虹色の光となって外に放たれる。 ラウンド形ではないブリリアントカットは、そこまでは輝かない。最近は、より多くのファセットをつけたカットも生まれているが、輝きだけを追求してもダイヤモンド本来の美しさが失われてしまうように思う。